こんにちは、AI活用コンサルタントのナオキです。フリーランスとして、個人事業主の方や中小企業の皆さんの業務効率化をお手伝いしています。
最近、クライアントの方々とお話ししていると、「動画で情報発信をしたいけど、編集が難しくて手が出せない」という声を本当によく耳にします。確かに、これまでの動画編集は専門的なスキルや高価なソフト、そして何より多くの時間が必要でした。
しかし、その常識はAIによって大きく覆されようとしています。今回は、もはやSFの世界ではない、AIによる動画編集の驚くべき進化と、それが皆さんのビジネスにどのようなチャンスをもたらすのかについて、分かりやすくお話ししたいと思います。
会話するだけで動画が完成？AI動画編集の最前線
「動画編集」と聞くと、多くの方がパソコンの画面に表示された複雑なタイムラインを想像するのではないでしょうか。いくつもの映像や音声を重ね、タイミングをミリ秒単位で調整していく、あの根気のいる作業です。
ところが今、そんな専門知識がなくても、まるで誰かに指示を出すように、会話するだけで動画が作れてしまうツールが次々と登場しています。
まるで魔法？チャットで指示する動画編集
例えば、「Levio」や「Jupitrr AI」といったツールはその代表格です。これらのツールでは、あなたが話している姿を撮影した動画ファイルをアップロードするだけで、驚くほど多くの作業をAIが自動で肩代わりしてくれます。
しかし、すごいのはここからです。編集の指示は、キーボードで文字を打ち込むだけ。例えば、チャットウィンドウにこう入力します。
「動画の冒頭に、インパクトのあるテキストを追加して」
「話の合間に、イーロン・マスクが笑っている画像を入れて」
「今追加したテキスト、もう少し下にずらしてほしいな」
すると、AIがあなたの指示を理解し、瞬時に動画に反映してくれるのです。これまでなら、テキストの位置を調整するだけでも、専用ソフトで数値を細かく変更する必要がありました。しかしAIを使えば、そんな手間は一切不要です。
AIは指示に合わせて映像の長さを調整し、それに合わせて字幕や音声の位置も自動で同期してくれます。まるで、優秀なアシスタントが隣に座って、あなたの言う通りに作業を進めてくれているような感覚です。
手間のかかる作業はすべてAIにおまかせ
チャットでの指示だけでなく、動画編集における面倒な作業のほとんどをAIが自動化してくれます。
まず、自動での字幕生成。一昔前は、動画の音声を何度も聞き返しながら手作業で文字起こしをするのが当たり前でしたが、今ではAIが非常に高い精度で自動的に字幕を付けてくれます。
次に、Bロールの追加です。Bロールとは、話している人の映像の合間に挟む、関連するイメージ映像のこと。例えば、コーヒーの話をしていたらコーヒー豆の映像を入れる、といった具合です。これがあると動画が単調にならず、視聴者を飽きさせません。AIは話の内容を理解し、最適なBロールを自動で提案、挿入までしてくれます。
そして、カット編集。話の途中の無言の時間や、「えーっと」「あのー」といった不要な部分をAIが自動で検知してカットしてくれます。これにより、テンポが良く、非常に見やすい動画が短時間で完成します。
これらの作業を人間がやろうとすれば、何時間もかかっていたでしょう。AIは、私たちが本来集中すべき「何を伝えるか」というコンテンツの中身作りに、時間を使わせてくれるのです。
「編集センス」の価値はなくなるのか？
ここまで聞くと、「そんなに自動化されたら、動画編集者の仕事はなくなるんじゃないか？」とか「プロが持つ独自の『編集センス』はもう価値がなくなるの？」と心配になる方もいるかもしれません。
確かに、AIの進化はクリエイターの役割を大きく変えつつあります。
プロの「技」もAIが学習・再現する時代
一部の経験豊富な編集者の方は、「センス」こそが自分の最大の武器だと考えています。映像の切り替えの絶妙なタイミング、視聴者の感情を揺さぶる音楽の入れ方、ブランドイメージを表現する色使い。これらは長年の経験で培われた、まさに職人技です。
しかし、この「センス」や「技」でさえ、AIは学習し、再現できるようになってきています。
グーグルの開発したGeminiのような高性能AIは、インターネット上にある膨大な数の優れた動画を分析し、「なぜこの動画は人の心を引き付けるのか」というパターンを学習します。そして、その分析結果を「プリセット」という形で誰でも使えるようにしてくれるのです。プリセットとは、いわば「プロの味付けセット」のようなもの。ボタン一つで、あなたの動画にプロが施したような編集効果を適用できます。
つまり、これまで一部のプロしか持っていなかった「センス」が、技術によって民主化され、誰でも簡単にプロレベルの動画を作れる時代が、すでに来ているのです。
中小企業・個人事業主こそAI動画編集を活用すべき理由
この大きな変化の波は、特にリソースが限られている中小企業や個人事業主の皆さんにとって、計り知れないチャンスとなります。
時間とコストを大幅に削減
これまで動画制作に踏み切れなかった一番の理由は、時間とコストの壁ではなかったでしょうか。制作会社に外注すれば高額な費用がかかりますし、自社でやろうにも、社員に一から編集スキルを学ばせる時間はなかなか取れません。
しかしAI動画編集ツールを使えば、この問題は一気に解決します。月々数千円程度の利用料で、社長や担当者自身が、わずかな時間で質の高いPR動画や商品説明動画を作れるようになります。これは、ビジネスのスピードを格段に上げる大きな武器になるはずです。
情報発信を加速させ、顧客との繋がりを深める
今の時代、SNSなどを通じた情報発信はビジネスの生命線です。特に、短い動画コンテンツは顧客とのエンゲージメントを高める上で非常に効果的です。
AIを使えば、一つの長い動画からSNS投稿用の短い動画を何本も自動で生成したり、ブログ記事の内容を元に動画を自動で作成したりすることも可能です。実際に私のクライアントでも、AI動画ツールを導入したことで、これまで月に数本だった動画の投稿頻度が週に数本へと増え、お客様からの問い合わせが目に見えて増加したという事例があります。
発信のハードルが下がることで、より多くの、そしてより新鮮な情報を顧客に届けられるようになり、結果としてビジネスの成長につながっていくのです。
まとめ
今回は、AIがもたらす動画編集の革命についてお話ししました。
会話で編集を進められるツールが登場し、字幕作成やカット編集といった面倒な作業はAIが代行してくれる。そして、プロの「編集センス」さえもAIが学習し、誰もが使える機能として提供され始めています。
「動画はやりたいけど、自分にはセンスがないから」と諦めていた時代は、もう終わりを告げました。大切なのは、編集の技術ではなく、あなたのビジネスや商品の魅力を「伝えたい」という情熱です。
AIは、その情熱を形にするための強力なパートナーになってくれます。まずは無料プランがあるツールからでも構いません。ぜひ一度、この未来の動画編集を体験してみてください。きっと、あなたのビジネスの可能性が大きく広がるはずです。
これからも、皆さんのビジネスに役立つAIの最新情報をお届けしていきますね。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント