AIを活用した業務効率化をサポートしているフリーランスのナオキです。
最近、ニュースやSNSで「AI」という言葉を目にしない日はない、というくらい話題になっていますね。ただ、多くの中小企業経営者や個人事業主の方とお話ししていると、「AIがすごいのはわかるけど、自分の仕事にどう関係あるの?」と感じている方がまだまだ多いように思います。
そこで今回は、私たちの働き方を根底から変える可能性を秘めた、あるAIツールについてお話ししたいと思います。その名も「Codex」。ChatGPTを開発したOpenAI社が提供する、文章やプログラムコードを生成するAIです。
この記事を読めば、AIが遠い未来の話ではなく、すでにあなたのビジネスを力強くサポートしてくれる「頼れる相棒」になりつつあることを、きっと実感していただけるはずです。
AI開発の最前線で起きていること
まず驚くべきなのは、AI開発の最先端を走るOpenAI社自身が、すでにAIを日常業務に深く取り入れているという事実です。
広報資料の1割以上をAIが作成
OpenAIの共同創業者であるグレッグ・ブロックマン氏は、同社のPR活動で使われる資料の実に10パーセント以上が、すでにCodexの助けを借りて作られていると語っています。
考えてみてください。もし皆さんの会社で、毎月作成している提案書や報告書、プレスリリースなどの作成業務の1割を、誰かが肩代わりしてくれたらどうでしょうか。その分、もっとお客様との対話に時間を使えたり、新しいサービスの企画を練ったり、他の重要な業務に集中できますよね。
私自身も、クライアント向けの提案資料を作成する際に、まずAIに構成案のたたき台を作ってもらうことがあります。ゼロから考える手間が省けるだけで、作業時間は半分以下になることもしばしばです。AIが出してくれた骨子をもとに、自分の経験やお客様独自の状況に合わせて肉付けしていく。この「AIとの協業」スタイルは、一度体験すると元には戻れないほど効率的です。
さらにブロックマン氏が強調しているのは、これがまだ「非常に初期の段階」に過ぎないという点です。つまり、今の活用レベルは、これから始まる大きな変化のほんの序章に過ぎないということです。AIの能力がさらに向上すれば、資料作成の大部分を任せられる日が来るのも、そう遠くないのかもしれません。
プログラマーの世界ではAIアシスタントが当たり前に
資料作成のようなクリエイティブな業務だけでなく、もっと専門的な分野でもAIの活躍は目覚ましいものがあります。特に、プログラミングの世界では、すでにAIはなくてはならない存在になりつつあります。
1日に2万4000件ものコード変更をAIがサポート
皆さんは、「GitHub(ギットハブ)」というサービスをご存知でしょうか。これは、世界中のプログラマーが自分が書いたプログラムのコードを保存したり、他の人と共有したりするためのプラットフォームです。いわば「プログラマーのSNS」のような場所です。
このGitHubでは、AIがプログラマーのコーディングを補助する「GitHub Copilot」というツールが提供されています。このツールは、実はCodexの技術をベースに作られています。そして驚くべきことに、このAIの助けを借りて統合されるコードの変更が、1日に2万4000件にも上るというのです。
これは、ちょっとしたスペルミスを直すといった簡単な修正から、新しい機能を追加するための複雑なコードの記述まで、様々な場面でAIがプログラマーの「優秀なアシスタント」として機能していることを示しています。
「でも、うちはIT企業じゃないから関係ないかな」と思われたかもしれません。しかし、そんなことはないのです。例えば、自社のホームページに「簡単なお問い合わせフォームを追加したい」とか、「ブログ記事に人気ランキングを表示させたい」といった要望が出てくることはありませんか。
これまでは、専門の業者に依頼するか、自分で時間をかけて勉強する必要がありました。しかしCodexのようなAIがあれば、将来的には「こんな機能のプログラムを作って」と日本語でお願いするだけで、AIが必要なコードを書き出してくれる。そんな未来がすぐそこまで来ています。専門知識がなくても、アイデアさえあれば形にできる時代が近づいているのです。
あなたの仕事はAIでどう変わる?
ここまでOpenAI社内やプログラミングの世界での事例を見てきましたが、では、あなたのビジネスには具体的にどんな変化がもたらされるのでしょうか。
大切なのは、AIを「仕事を奪う脅威」と捉えるのではなく、「自分の能力を拡張してくれる賢い部下やアシスタント」と考えることです。AIが得意な作業はAIに任せ、私たち人間は、人間にしかできないことに集中する。これが、これからの時代の賢い働き方です。
例えば、以下のような業務に心当たりはありませんか。
- SNSの投稿文を毎日考えるのが大変
- お客様への定型的なメール返信に時間がかかっている
- ブログ記事のネタがなかなか思いつかない
- 新しいサービスのキャッチコピーを考えたい
こうした業務は、まさにAIの得意分野です。「新商品の魅力を伝えるSNS投稿文を5パターン考えて」とか「お客様からの納期に関する問い合わせメールへの返信案を作って」とAIに指示すれば、ものの数十秒で質の高い文章案を複数提示してくれます。あなたは、その中から最適なものを選んだり、少し手直ししたりするだけです。
これまでアイデア出しや文章作成に費やしていた時間を、お客様との関係構築や、事業全体の戦略を考えるといった、より付加価値の高い仕事に振り分けることができるようになります。
まとめ
今回は、OpenAIのCodexというAIツールが、私たちの働き方をどのように変えようとしているのか、具体的な事例を交えてご紹介しました。
広報資料の作成から専門的なプログラミングまで、AIはすでに様々な現場で「頼れる相棒」として活躍を始めています。そして、これはまだ壮大な変化の序章に過ぎません。
AIの進化のスピードは、私たちの想像をはるかに超えています。AIをただ恐れたり、無視したりするのではなく、「どうすれば自分のビジネスに活かせるだろう?」という視点を持つことが、これからの時代を生き抜くための重要な鍵となります。
まずはあなたの業務の中で、「この作業、AIに手伝ってもらえたら楽になるのにな」と思うことを一つ見つけるところから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたのビジネスを大きく飛躍させるきっかけになるかもしれません。
AIの活用に関して、もし何かお困りのことやご相談したいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください。あなたのビジネスの「相棒」となるAI活用法を、一緒に見つけていきましょう。
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