AI活用の専門家として、業務効率化やSNS運用のお手伝いをしているフリーランスのナオキです。
最近、ChatGPTをはじめとするAIの話題を耳にしない日はない、というくらい世の中はAIブームに沸いていますね。私のところにも、多くの個人事業主や中小企業の経営者様から「AIって、うちの会社でも使えるんだろうか」「何から始めたらいいのか分からない」といったご相談が毎日のように寄せられます。
あなたも、AIの大きな可能性を感じつつも、日々の業務に追われ、具体的な一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。
そんな中、先日とても興味深いニュースが目に留まりました。アメリカの著名な投資家であり、億万長者としても知られるマーク・キューバン氏が、AI時代における本当のビジネスチャンスについて語っていたのです。彼の言葉は、AIとどう向き合えば良いか悩んでいる私たち日本のビジネスパーソンにとって、非常に重要なヒントを与えてくれます。
今日は、キューバン氏の洞察をもとに、これからの時代に求められるスキルと、中小企業がAIの波に乗るための具体的な考え方について、私なりの視点も交えながらお話ししていきたいと思います。
AI開発競争の裏に隠された本当のチャンス
皆さんは「AIビジネス」と聞くと、どのようなことを想像しますか。多くの人が、グーグルやマイクロソフトのような巨大IT企業が繰り広げる、新しいAIモデルの開発競争を思い浮かべるかもしれません。しかし、マーク・キューバン氏は「最大のチャンスはそこではない」と断言しています。
彼が指摘する本当のビジネスチャンスとは、新技術を開発することではなく、すでに存在する優れたAIを、まだ活用しきれていない企業に導入し、その会社全体で使えるように統合していく「橋渡し役」としての役割です。
これは、私自身が日々の業務で痛感していることと、まさしく一致します。多くの中小企業は、AIを導入することで自社の競争力を高められるかもしれない、という期待は持っています。しかし、具体的にどの業務に、どのAIツールを、どうやって使えば効果が出るのかが分からない。さらに、専門知識を持つ人材を雇う予算も、社員に一から学んでもらう時間的な余裕もないのが現実です。
まさにこの「分からない」「できない」というギャップを埋めることこそが、今、最も価値のある仕事だとキューバン氏は言うのです。AIという強力な道具を、それを必要としている現場に届け、使えるように手ほどきする。そこに、計り知れないほどのビジネスチャンスが眠っているのです。
過去に学べ。パソコンが初めて登場した頃の記憶
キューバン氏は、この状況を「パソコンが初めて普及した頃にそっくりだ」と語っています。今では1人1台が当たり前のPCですが、1980年代に登場した当初は、多くの企業にとって「何に使えるのかよく分からない魔法の箱」でした。
彼自身も若い頃、企業を訪問しては「このPCを使えば、経理作業がこんなに楽になりますよ」「顧客リストの管理が簡単になります」と、その価値を説いて回るビジネスをしていたそうです。PCというハードウェアを売るだけでなく、その使い方を教え、業務に組み込む手伝いをすることで、大きなビジネスが生まれました。
求められる「AIの翻訳家」
現代のAIも、当時のPCと全く同じ状況にあると言えるでしょう。ChatGPTのような文章を生成するAI、Midjourneyのような画像を生成するAIなど、驚くほど高性能なツールが次々と登場しています。しかし、多くの経営者にとっては、それが自社のビジネスとどう結びつくのか、イメージが湧きにくいのです。
例えば、あなたが工務店を経営しているとします。AIを使って何ができるでしょうか。
「お客様からの初回ヒアリング内容をAIに入力して、要望をまとめた議事録を自動で作成する」「施工事例の写真と特徴をAIに学習させ、新しいお客様への提案書のたたき台を数分で作成させる」「ブログやSNSで発信する、家づくりに関するお役立ち情報の記事をAIに書いてもらう」など、考えられる活用法は無数にあります。
しかし、こうしたアイデアは、AIの能力と現場の業務、両方を理解していなければ生まれてきません。だからこそ、AIの言葉をビジネスの言葉に「翻訳」し、具体的な活用方法を提案できる「AIの橋渡し役」や「AIの翻訳家」のような存在が、今まさに求められているのです。
あなたのビジネスを加速させる次の一歩
では、AIに関心を持つ個人事業主や中小企業の経営者であるあなたは、今、何をすべきなのでしょうか。キューバン氏の言葉は、私たちに二つの視点を与えてくれます。一つは自社でAI活用を進める視点、もう一つはAI活用を支援する側になるというビジネスチャンスの視点です。
まずは小さな成功体験から
自社でAI活用を始めるにあたり、いきなり大規模なシステム導入を考える必要はありません。まずは、あなたや社員の日々の業務の中から「これは面倒だな」「もっと楽にならないかな」と感じている小さな課題を見つけることから始めましょう。
例えば、
・毎日のメール返信の文章作成
・会議の議事録の要約
・SNS投稿のアイデア出し
・ブログ記事の構成案づくり
こうした作業の多くは、現在無料で利用できるAIツールでも十分に効率化できます。完璧な結果を求めず、まずは「AIに手伝ってもらう」という感覚で試してみてください。「こんなことまでできるのか」という小さな驚きと成功体験が、次のより大きな活用への第一歩となります。
専門家という近道を賢く使う
とはいえ、日々の業務で忙しい中、新しいツールを調べて試す時間を確保するのは難しいかもしれません。そんな時は、外部の専門家を頼るのも非常に賢い選択です。
私のようなAI活用を支援するフリーランスは、様々な業種での導入事例や、それぞれの課題に合ったツールの知識を持っています。自社だけで手探りで進めるよりも、専門家に伴走してもらうことで、時間やコストを大幅に節約し、最短距離で成果につなげることが可能です。まさに「餅は餅屋」ですね。
これからの時代を生き抜くために
キューバン氏は、これからの若い世代に向けて「AIについて深く学ぶのはもちろん、それを会社や組織でどう役立てるかを考える力を身につけることが重要だ」とアドバイスしています。
この言葉は、若い世代だけでなく、変化の時代を生きる私たちすべてのビジネスパーソンに当てはまるのではないでしょうか。AIの技術的な詳細をすべて理解する必要はありません。大切なのは、AIという道具の可能性を理解し、「自分のビジネスをどう良くできるか」という視点で考え続ける力です。
AIは、仕事を奪う怖い存在ではありません。正しく使えば、面倒な作業から私たちを解放し、より創造的で付加価値の高い仕事に集中させてくれる、頼もしいパートナーです。
さあ、あなたのビジネスのすぐ隣にいる、この優秀なアシスタントに、まずはどんな仕事をお願いしてみますか。未来への扉は、今日のその小さな一歩から開かれます。
AIの活用について、もし何か分からないことや相談したいことがあれば、いつでもお気軽にご連絡くださいね。