AIを活用したビジネスの効率化をお手伝いしているナオキです。
個人事業主や中小企業の経営者とお話ししていると、最近はオンラインでの打ち合わせがすっかり定着したという声をよく聞きます。場所を選ばずに仕事ができるのは本当に便利ですよね。
ただその一方で、「相手の表情が読み取りにくい」「回線が不安定で話が途切れる」「なんとなく無機質で、対面ほどの信頼関係が築きにくい」といった、ちょっとしたストレスを感じることはありませんか。
今日は、そんなオンラインコミュニケーションの課題を根本から解決してくれるかもしれない、AIが創り出す未来のビデオ通話についてお話ししたいと思います。この話を聞けば、きっとワクワクする未来が想像できるはずです。
OpenAIの最新技術がすごい!声も姿もAIがリアルに再現
この未来のビデオ通話を語る上で欠かせないのが、ChatGPTを開発したOpenAIの最新技術です。特に注目したいのが「Voice Engine」と「Sora」という二つの技術。これらが私たちのコミュニケーションを大きく変える可能性を秘めているんです。
まるで本人?声のクローンを作る「Voice Engine」
まず一つ目は「Voice Engine」です。これは、AIによる音声生成技術、一言でいえば「声のクローンを作る技術」と考えてみてください。
すごいのは、たった15秒ほどの短い音声データをAIに学習させるだけで、その人そっくりのリアルな声を再現できてしまう点です。ただ真似るだけでなく、感情を込めたり、抑揚をつけたりすることも可能で、まるで本人が話しているかのように自然な音声を作り出せます。
例えば、この技術を使えば、自分の声で外国語のナレーションを吹き込んだり、多言語対応のカスタマーサポートを自分の声で提供したり、なんてことも夢ではありません。まさに、声の可能性を無限に広げてくれる技術と言えるでしょう。
映像から動く本人を創り出す「Sora」
そしてもう一つが、動画生成AIとして話題の「Sora」です。Soraは、テキストを入力するだけで非常にリアルな動画を生成できることで有名ですが、実はもう一つ驚くべき機能を持っています。
それは、短い音声と顔の映像データから、その人物が自然に話している動画をAIが生成するというものです。口の動きはもちろん、表情や身振り手振りまで、まるで本人がそこにいるかのようにリアルに再現されます。
私のクライアントでも、SNS用の動画コンテンツを作りたいけれど、撮影や編集に時間がかかってなかなか手が出せない、という方が多くいらっしゃいます。Soraのような技術がもっと身近になれば、少しの素材を用意するだけで、AIが自分の分身となるアバターを作り、情報発信をしてくれる、そんな未来が来るかもしれませんね。
AIビデオ通話が実現する、これからのコミュニケーション
さて、この「声のクローン」と「リアルな動画生成」の技術が組み合わさると、私たちのビデオ通話はどのように進化するのでしょうか。
まるで隣にいるかのような臨場感
現在のビデオ通話では、どうしても通信環境による映像の乱れや音声の遅延が避けられません。話が盛り上がってきたところで画面が固まってしまい、気まずい空気が流れる…なんて経験、誰にでもあるのではないでしょうか。私自身も、大切な商談中に相手の声が途切れ途切れになってしまい、冷や汗をかいたことがあります。
しかし、AIがビデオ通話に組み込まれれば、こうした問題は過去のものになるかもしれません。
AIが映像や音声の乱れをリアルタイムで予測し、補正してくれるのです。たとえネットワークが少し不安定になっても、AIが間を補ってくれることで、相手の映像は滑らかに、声はクリアに保たれます。さらに、AIが自動で目線をカメラに合わせてくれたり、背景を自然に合成してくれたりすることで、私たちはもっと会話そのものに集中できるようになるでしょう。
これにより、オンラインでありながら、まるで相手がすぐ隣に座って話しているかのような、自然でストレスのないコミュニケーションが実現するはずです。
言葉の壁がなくなる?リアルタイム翻訳の衝撃
さらに大きな可能性を秘めているのが、リアルタイム翻訳との組み合わせです。先ほどご紹介した「Voice Engine」は、元の話者の声の特徴を保ったまま、別の言語に翻訳して音声を出力する機能も持っています。
これがビデオ通話に応用されるとどうなるでしょう。
例えば、あなたが海外のクライアントと日本語で話すと、相手にはあなたの声のまま、流暢な英語に翻訳された音声がリアルタイムで届くのです。相手が英語で返事をすれば、あなたには自然な日本語として聞こえてきます。
言語の壁を感じることなく、世界中の人たちと直接、自分の声で対話できる。これは、海外展開を目指す中小企業や、グローバルな取引を行う個人事業主にとって、計り知れないほどの大きなチャンスをもたらすでしょう。
私たちのビジネスはどう変わる?
OpenAIはまだ正式なビデオ通話サービスを発表していませんが、これだけの技術基盤が揃っていることを考えると、いずれ何らかの形で提供される可能性は非常に高いと私はみています。たとえ新しい形のデバイスが登場したとしても、顔を見ながら対話するというコミュニケーションの重要性は変わらないはずです。
では、この未来のビデオ通話は、私たちのビジネスにどんなメリットをもたらすでしょうか。
例えば、遠方に住むお客様との商談。より臨場感のあるコミュニケーションができれば、信頼関係を築きやすくなり、成約率の向上につながるかもしれません。
採用面接ではどうでしょう。候補者の微妙な表情や声のトーンから人柄をより深く理解でき、ミスマッチを防ぐことができるようになるかもしれません。
オンラインセミナーや社内研修も、もっと没入感のあるものになり、参加者の満足度や学習効果を高めることができるでしょう。
あなたなら、この技術をどのようにご自身のビジネスに活かしてみたいですか。少し想像してみるだけでも、いろいろなアイデアが浮かんできそうですね。
まとめ:AIがコミュニケーションをより豊かにする未来へ
今回は、OpenAIの技術が切り拓く、未来のビデオ通話についてお話ししました。
AIが声や姿をリアルに再現し、通信のストレスや言葉の壁を取り払ってくれる。そんな未来は、もうすぐそこまで来ています。
もちろん、なりすましなどの悪用を防ぐためのルール作りといった課題も同時に考えていく必要があります。しかし、技術そのものに善悪はありません。大切なのは、私たちがそれをどう活用していくかです。
AIは、決して人間の仕事を奪うものではなく、むしろ人間同士のコミュニケーションをより円滑に、より豊かにしてくれる強力なパートナーとなり得ます。この素晴らしい技術の可能性を理解し、自分のビジネスにどう取り入れていくかを考えることが、これからの時代を生き抜く上で非常に重要になってくるでしょう。
これからも、皆さんのビジネスに役立つAIの最新情報や活用法を分かりやすくお伝えしていきますので、ぜひまた読みに来てくださいね。


監修者:岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。