ウォルマートとOpenAI提携。AIショッピングが未来を変える

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AIを活用したビジネス支援を行っているナオキです。個人事業主や中小企業の経営者向けに、業務効率化やSNS運用のお手伝いをしています。

さて、皆さんは普段、インターネットで買い物をするとき、どのように商品を探していますか。多くの方が、検索窓にキーワードを打ち込んだり、カテゴリをたどったりしているのではないでしょうか。しかし、その常識が大きく変わるかもしれない、驚きのニュースが飛び込んできました。アメリカの巨大スーパーマーケット、ウォルマートがあのOpenAIと提携し、ChatGPTを使った全く新しい買い物体験をスタートさせるというのです。

今回は、このニュースが私たちの未来の買い物を、そしてビジネスをどう変えていくのか、分かりやすく解説していきたいと思います。

ウォルマートが発表したAIショッピングとは

今回ウォルマートが発表した新しい買い物方法は、一言でいえば「AIとの会話で買い物が完結する」というものです。これまでのウェブサイトの画面とにらめっこするスタイルとは全く異なります。具体的にどのような体験になるのか、見ていきましょう。

会話するだけで欲しいものが見つかる

皆さんがChatGPTと話しているとします。例えば、「今週末に友達とバーベキューをするんだけど、何かおすすめの食材はあるかな」と尋ねると、AIが「それなら、牛肉のステーキや新鮮な野菜、オリジナルのバーベキューソースはいかがですか。デザートに焼きマシュマロも人気ですよ」といったように、まるで店員さんと相談しているかのように商品を提案してくれます。

これまでの検索は、私たちが「牛肉」「野菜」といった具体的なキーワードを知っていて、それを入力する必要がありました。いわば、私たちが商品を「探しに行く」スタイルです。しかし、この新しい方法は、私たちの漠然とした要望をAIに伝えるだけで、AIが最適な商品を「見つけてきてくれる」スタイルに変わります。

これは、買い物における大きな変化です。目的がはっきり決まっていないときでも、AIと相談しながら楽しく商品選びができるようになるのです。まるで、優秀な買い物アシスタントが常にそばにいてくれるような感覚ですね。

探して、選んで、そのまま決済

さらに驚くべきは、その先です。AIが提案してくれた商品リストを見て、「じゃあ、その牛肉と野菜、ソースを全部ください」と伝えると、その場で支払いが完了する「即時決済」機能が搭載されています。

今までのネットショッピングを思い出してみてください。欲しい商品を一つずつカートに入れ、全部選び終わったらレジに進み、支払い方法を選んで、住所を確認して、ようやく注文完了、という手順が当たり前でしたよね。

しかし、この新しい仕組みでは、AIとの会話の流れを一切止めることなく、購入までがシームレスに繋がります。商品を探し、選び、購入するという一連の行動が、すべて「会話」という一つの体験の中に溶け込んでしまうのです。これは、ウェブサイトの買い物画面という概念そのものが、AIとの対話に置き換わる可能性を示唆する、まさに画期的な変化と言えるでしょう。

なぜこれが大きな転換点と言えるのか

このウォルマートの取り組みは、単なる便利な新機能というだけではありません。買い物の主導権が人間からAIへと移っていく、大きな時代の転換点になる可能性があります。

買い物体験の主役がAIになる時代

これまでのオンラインショッピングでは、ウェブサイトやアプリをいかに使いやすくするか、という点が重視されてきました。つまり、主役はあくまで私たち利用者であり、私たちは提供されたシステムを「操作」して買い物をしていました。

しかし、これからはAIが私たちの好みや状況を理解し、最適な商品を提案し、購入までを導いてくれるようになります。買い物の主役がAIに移り、私たちはAIの提案を受けながら、より快適で質の高い買い物体験を享受する時代が来るのかもしれません。

私が普段、クライアントに顧客管理システムの導入支援をする中でも、「AIにどこまで任せていいのか」というお話はよく出ます。最初はAIに業務を任せることに少し抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、一度その便利さを体験すると、もう元には戻れないとおっしゃる方がほとんどです。今回の買い物体験も、それと同じような変化を社会全体にもたらすのではないでしょうか。

私たち中小企業のビジネスにどう活かせるか

「ウォルマートのような大企業だからできることで、自分たちには関係ない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、同じシステムをすぐに導入するのは難しいでしょう。しかし、このニュースから私たちが学ぶべきなのは、その「考え方」です。

重要なのは、「顧客との対話を通じて、ニーズを引き出し、最適な提案をする」という視点です。

例えば、皆さんの会社のホームページにあるチャットボットを見直してみるのはいかがでしょうか。単に決まった質問に答えるだけでなく、お客様の悩みや要望を会話の中から汲み取り、「でしたら、こちらの商品がお役に立てるかもしれません」と提案するような、より人間らしいコミュニケーションを目指すのです。

また、顧客管理システムと連携させれば、過去の購入履歴をもとに「〇〇様、そろそろ前回お求めいただいたコーヒー豆がなくなる頃ではありませんか。今回は少し違う種類の豆もいかがでしょう」と、AIが一人ひとりに合わせた提案をすることも夢ではありません。

このように、今回のウォルマートの事例は、私たち中小企業や個人事業主にとっても、顧客との新しい関係性を築くためのヒントに満ちています。

AIと買い物する未来はもうすぐそこまで

AIと会話するだけで買い物が終わる。数年前まではSF映画の中の話だったかもしれませんが、もう現実のすぐそこまで来ています。

ウォルマートのこの挑戦が成功すれば、世界中のあらゆる小売業が追随し、AIとの対話を通じた買い物が当たり前の世の中になるでしょう。そうなれば、私たちが毎日使っているスマートフォンや、リビングにあるスマートスピーカーに話しかけるだけで、日用品から専門的な商品まで、あらゆるものが手に入るようになります。

もし、あなたのビジネスにこんなにも賢くて気の利くAIアシスタントがいたら、どんな仕事を任せてみたいですか。顧客対応、商品提案、在庫管理、マーケティング。AIが担える役割は、きっと私たちの想像以上に広がっていくはずです。

今回のニュースは、AIがもたらす変化が、単なる作業の効率化にとどまらないことを教えてくれました。それは、顧客一人ひとりとの繋がりを深め、新しい価値を提供する絶好のチャンスでもあるのです。

これからも、こうしたAIに関する最新の動向や、皆さんのビジネスに活かせるヒントを発信していきます。時代の変化の波に乗り遅れないよう、一緒に学んでいきましょう。

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岡田 直記 プロフィール写真

監修者:岡田 直記

AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長

企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。

自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。

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