AIを活用したビジネスの効率化をサポートしているナオキです。
最近、AIの進化が本当に目覚ましいですよね。個人事業主の方や中小企業の経営者の皆さんとお話ししていても、「AIって実際どこまでできるの？」とか「自分のビジネスにどう活かせばいいんだろう？」といった声を聞く機会が本当に増えました。
そんな中、先日とても興味深いニュースが飛び込んできました。人気AI「Claude」を開発しているAnthropic社のCEO、ダリオアモデイ氏が、AIの未来について語ったのです。その内容は、AIの可能性にワクワクすると同時に、これからの働き方を真剣に考えさせられるものでした。
今回は、このアモデイ氏の発言を紐解きながら、AIが私たちのビジネスや社会にどのような変化をもたらすのか、そして私たちはそれにどう向き合っていくべきか、一緒に考えていきたいと思います。
AIの進化は想像以上？わずか3ヶ月で別物に
皆さんは、AIがどれくらいのスピードで進化しているかご存知でしょうか。アモデイ氏によると、AIの性能はなんと「わずか3ヶ月で前のモデルを上回る」ほどの速さで進んでいるそうです。
3ヶ月と聞いてもピンとこないかもしれません。例えば、私たちが普段使っているスマートフォンは、毎年新しいモデルが登場するたびに「すごい進化したな」と感じますよね。それが、AIの世界ではたった3ヶ月で起こっている、と考えてみてください。春夏秋冬、季節が一度巡る間に、AIは全く新しい世代に生まれ変わっているようなものです。
この驚異的なスピードは、私たちビジネスを行う者にとって何を意味するのでしょうか。それは、「昨日までできなかったことが、明日にはAIで簡単に実現できるかもしれない」ということです。同時に、この変化の波に乗り遅れてしまうと、気づいた頃には競合から大きく差をつけられてしまう危険性もはらんでいます。
熟練のAIがチームの生産性を10倍に
では、具体的に進化したAIはどれほどの力を持っているのでしょうか。アモデイ氏が挙げた自社の事例が、その実力を物語っています。
同社のAIである「Claude」は、なんとほとんどのプログラムコード（全体の90%）を自動で書き上げることができるそうです。その結果、エンジニアチームの生産性は10倍にも向上したといいます。
「プログラムコード」と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんね。これは、ウェブサイトやアプリケーションを動かすための設計図や命令文のようなものです。従来であれば、専門のエンジニアが多くの時間をかけて考え、一行一行書き上げていた作業でした。
それをAIが90%も肩代わりしてくれるというのは、まるでチームに超優秀で仕事の速いベテラン社員が何人も加わったようなものです。しかも、その同僚は24時間365日、文句も言わず働き続けてくれるのですから、生産性が10倍になるというのも頷けます。
あなたのビジネスではどう活かせる？
「でも、それはプログラマーやIT企業の話でしょ？」と思われるかもしれません。しかし、この流れは決して他人事ではありません。この「AIによる業務の自動化」は、あらゆる業種に応用できる可能性を秘めています。
例えば、以下のような業務に心当たりはありませんか。
- SNS投稿の文章やキャッチコピーを考える
- お客様からの問い合わせメールへの返信文を作成する
- 新サービスの企画書やプレゼン資料の骨子を作る
- 競合他社の情報を集めて分析し、レポートにまとめる
これらは、これまで私たちが時間と頭を使って行ってきた業務ですが、最新のAIはこれらの作業を高いレベルでサポートしてくれます。
何を隠そう、私自身もブログ記事の構成案をAIに壁打ち相手になってもらったり、SNS投稿のアイデアをいくつか出してもらったりと、日常的にAIを「優秀なアシスタント」として活用しています。これにより、本来集中すべきクリエイティブな作業や、お客様との対話により多くの時間を割けるようになりました。
皆さんの日々の業務の中で、「これはAIに任せたら楽になりそうだな」と思えることは何でしょうか。一度、棚卸ししてみるのも面白いかもしれません。
CEOが鳴らす警鐘、私たちの働き方はどうなる？
このように、AIは私たちのビジネスを加速させる強力なツールです。しかし、アモデイ氏はその先に待ち受ける未来について、警鐘を鳴らすことも忘れていません。
彼は、AIによる自動化が現在の90%から95%、さらには99%へと進んだ時、社会に大きな変化が訪れると予測しています。しかも、その変化は「2年から5年」という、非常に短い期間で起こる可能性があるというのです。そうなれば、経済全体で「雇用」、つまり私たちの働き方に関する大きな問題が起こるかもしれない、と指摘しています。
自動化率が99%の世界。少し怖い話に聞こえるかもしれませんね。しかし、これは単純に「AIに仕事を奪われる」という話ではないと私は考えています。むしろ、「AIを使いこなせる人材」と「そうでない人材」との間に、大きな差が生まれる時代の到来を意味しているのではないでしょうか。
自動車が発明されたとき、馬車の御者の仕事は減りましたが、代わりに自動車の運転手や整備士、製造に関わる人など、新しい仕事がたくさん生まれました。今回のAI革命も、それと同じような構造的な変化をもたらすのかもしれません。
私たちが今からできること
では、この大きな変化の波を乗りこなし、AIを味方につけるために、私たちは今から何をすべきなのでしょうか。中小企業の経営者や個人事業主の皆さんに、ぜひ試していただきたいことを3つご紹介します。
一つ目は、とにかく「AIに触れてみること」です。難しく考える必要はありません。今では無料で使える高性能なAIがたくさんあります。今日の夕飯の献立を相談する、週末の旅行プランを立ててもらう、そんな簡単なことからで構いません。まずはAIと対話してみて、その能力やクセを知ることが第一歩です。
二つ目は、「AIに任せる仕事と、人間がやるべき仕事の仕分け」を意識することです。データ入力や情報収集といった単純作業はAIに任せ、私たち人間は、新しいアイデアを生み出す創造性や、お客様一人ひとりと向き合い信頼関係を築くといった、温かみのあるコミュニケーションに集中する。このような役割分担が、これからのビジネスの鍵を握るはずです。
そして三つ目は、「学び続ける姿勢を持つこと」です。冒頭でお話しした通り、AIの進化は非常に高速です。今日の常識が明日には古くなっているかもしれません。新しいツールや情報を積極的にキャッチアップし、自分のビジネスにどう活かせるかを考え続ける柔軟性が、これまで以上に重要になります。
まとめ
今回は、AI「Claude」を開発するAnthropic社CEOの言葉を手がかりに、AIの進化がもたらす未来について考えてみました。
AIの進化は、私たちの想像をはるかに超えるスピードで進んでいます。それは、ビジネスの生産性を飛躍的に高める可能性を秘めている一方で、私たちの働き方そのものを大きく変えてしまうほどのインパクトを持っています。
しかし、この変化を恐れる必要はありません。AIは、私たちの仕事を奪う脅威ではなく、ビジネスを次のステージへと引き上げてくれる強力なパートナーです。
ぜひ今日から、小さな一歩でも構いませんので、AIとの付き合いを始めてみてください。一緒にこの大きな変化の波を楽しみながら、未来のビジネスを創っていきましょう。
AIを活用した業務効率化やSNS運用などでお困りのことがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。
監修者：岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。
