AIで業務効率化!Perplexityに学ぶメール・会議の時短術

仕事に活かすAI

AI活用コンサルタントのナオキです。普段は、中小企業の皆さんの業務効率化やSNS運用のお手伝いをしています。

皆さんは、日々の業務の中で「もっと効率的に仕事を進められたらな」「新しいアイデアが欲しいけど、なかなか時間が取れない」と感じることはありませんか。特に個人事業主や経営者の方は、一人で何役もこなさなければならず、時間との戦いだと思います。

そんな悩みを解決するヒントが、思わぬところから公開されました。AI検索サービスとして有名なPerplexityが、なんと自社の社員向けに使っているAI活用ガイドを一般公開したのです。

AI開発の最前線にいる企業が、実際にどのようにAIを使いこなしているのか。そのノウハウが詰まったこのガイドは、私たちスモールビジネスを営む者にとって、まさに宝の山と言えるでしょう。今回はこのガイドの内容を紐解きながら、明日から皆さんの仕事に役立つAI活用の秘訣をご紹介します。

あのPerplexityが公開した社内AI活用ガイドとは

まず、Perplexityというサービスをご存じない方のために簡単にご説明します。Perplexityは、質問を入力すると、インターネット上の情報を基に、出典元を明記しながら分かりやすく要約してくれるAI検索サービスです。信頼性の高い情報収集ができるため、リサーチ業務などで非常に役立つツールとして注目されています。

そんなAIのプロフェッショナル集団である彼らが公開した今回のガイドは、単なるツールの使い方マニュアルではありません。彼らが日々、どのようにAIを「同僚」や「アシスタント」として活用し、生産性を高めているかの実践的な知恵が凝縮されています。

大企業が使うような難しい話ではなく、メール作成や会議の準備といった、私たちの日々の業務に直結する内容が中心です。だからこそ、個人事業主や中小企業の私たちがすぐに真似できるヒントがたくさん詰まっているのです。

すぐに真似できる日常業務をAIで効率化する3つのヒント

ガイドには多くの活用法が紹介されていますが、今回は特に皆さんがすぐに試せるであろう三つのポイントに絞ってご紹介します。

ヒント1 メール作成や文章の壁打ち相手として

日々の業務で意外と時間を取られるのが、メールやチャットの文章作成ではないでしょうか。特に、お客様への丁寧な返信や、少し複雑な内容を伝える提案メールなどは、言葉選びに悩みますよね。

そんな時、AIは非常に優秀な文章作成アシスタントになります。例えば、「以下の要点を盛り込んで、取引先へのお礼メールを作成してください」とお願いするだけで、丁寧な下書きを数秒で作成してくれます。

ポイントは、ただ作ってもらうだけでなく、「もっと柔らかい表現にして」「要点を三つに絞って箇条書きにして」といった追加の指示で、文章の質をどんどん高めていけることです。

私自身も、クライアントへの提案書の構成案を考える際に、まずAIに壁打ち相手になってもらいます。「こういうターゲットに向けたサービスの魅力を伝えたいんだけど、どんな切り口があるかな」と相談すると、自分では思いつかなかったようなキャッチコピーや構成案を提案してくれて、思考が整理されるのを何度も経験しました。文章作成の時間が大幅に短縮できるだけでなく、コミュニケーションの質も向上するはずです。

ヒント2 会議の準備と議事録作成をスピードアップ

会議そのものも大変ですが、その前後の準備や議事録作成に多くの時間を使っていませんか。AIを使えば、この負担を劇的に軽くすることができます。

例えば、次の会議のテーマをAIに伝え、「このテーマで議論すべき点を洗い出し、アジェンダ案を作成して」と依頼するだけで、会議の骨子が出来上がります。関連する市場データや競合の動向をリサーチさせることも可能です。

さらに強力なのが、会議後の議事録作成です。会議の音声を録音しておき、それをAIツールに読み込ませれば、自動で文字起こしから要約、さらには決定事項や担当者ごとのタスクまでリストアップしてくれます。

これまで数時間かかっていた作業が、ほんの数十分で終わるかもしれません。会議の準備と後処理にかけていた時間を、もっと本質的な、お客様のための時間や新しい戦略を考える時間にあてられるようになったら、ビジネスはもっと加速すると思いませんか。

ヒント3 情報収集とリサーチの頼れる相棒に

「新しい事業を始めたい」「競合の動向を調査したい」といった場面での情報収集は、ビジネスの成功を左右する重要な作業です。しかし、膨大な情報の中から信頼できるものを探し出し、分析するのは骨の折れる仕事です。

ここでもAI、特にPerplexityのような出典を明記してくれるツールが活躍します。例えば、「中小企業向けの最新CRMツールのトレンドと、それぞれのツールの長所・短所を比較して」と質問すれば、複数のウェブサイトやレポートを横断的に調査し、整理された形で回答してくれます。

情報源が明確なので、答えの信頼性を自分で確認することもできます。これにより、リサーチの初動にかかる時間を大幅に短縮し、より深い分析や戦略立案に集中できるようになります。信頼できる情報に基づいた迅速な意思決定は、変化の速い現代において強力な武器となるでしょう。

AIは単なる作業道具じゃない「好奇心」を刺激するパートナーへ

Perplexityのガイドが素晴らしいのは、こうした業務効率化の先に、もう一つのAIの可能性を示している点です。それは、AIを単なる「仕事を肩代わりしてくれる便利な道具」としてではなく、「新しいアイデアや知識を探求するための、好奇心を刺激するパートナー」として捉える視点です。

例えば、仕事で行き詰まった時、AIにこう問いかけてみてはいかがでしょうか。

「私の事業(例えば、地域密着のカフェ)の強みと、最新のAI技術を組み合わせた新しい顧客体験のアイデアを10個提案して」

こんな風に、AIをブレインストーミングの相手にすることで、自分一人では決して思いつかなかったような斬新なアイデアが生まれることがあります。AIは疲れを知りませんし、どんな突飛な質問にも真剣に答えてくれます。この「知的な遊び相手」としてのAI活用こそが、これからの時代に求められる創造性を育む鍵なのかもしれません。

良いプロンプトがAIの性能を引き出す鍵

最後に、AIを使いこなす上で最も重要な点に触れておきます。それは、AIへの「指示文」、いわゆるプロンプトの作り方です。AIは魔法の箱ではなく、私たちの指示を忠実に実行するツールです。そのため、私たちがどれだけ的確で分かりやすい指示を出せるかで、返ってくる答えの質は天と地ほど変わります。

Perplexityのガイドにも、誰でも実践できるプロンプトの作り方が含まれているそうです。ポイントは、AIに「役割」を与え、「具体的な条件」を伝え、「出力形式」を指定することです。

例えば、単に「ブログ記事を書いて」とお願いするのではなく、「あなたはプロのマーケターです。中小企業の経営者に向けて、SNS活用の重要性を伝えるブログ記事を、親しみやすい口調で1500字程度で書いてください。導入、具体例、まとめの構成でお願いします」と指示するだけで、アウトプットの質は劇的に向上します。

最初は難しく感じるかもしれませんが、まずは「あなたは〇〇の専門家です」と役割を与えることから試してみてください。それだけでもAIの応答がぐっと具体的になることを実感できるはずです。

まとめ

今回は、Perplexityが公開した社内AI活用ガイドを基に、私たちが明日から実践できるAI活用術をご紹介しました。

メール作成や会議準備といった日常業務の効率化から、新しいアイデアを生み出す創造的なパートナーとしての活用まで、AIには無限の可能性があります。そして、その可能性を最大限に引き出す鍵は、私たちの「指示の出し方」にあります。

このガイドは、AIという新しいテクノロジーとどう向き合い、どう付き合っていくべきかを示す、素晴らしい道しるべです。まずは今日のメール一本、AIに下書きをお願いしてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたのビジネスを大きく飛躍させるきっかけになるかもしれません。

これからも、皆さんのビジネスに役立つAI情報をお届けしていきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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岡田 直記 プロフィール写真

監修者:岡田 直記

AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長

企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。

自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。

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