AIの回答精度が劇的向上?「llm-council」が変える仕事の未来

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AI活用コンサルタントのナオキです。普段、中小企業や個人事業主の皆さまの業務効率化やSNS運用のお手伝いをしています。

最近、AIの進化のスピードには本当に驚かされますよね。「ChatGPTやGemini、色々あるけど、結局どれが一番優秀なの?」「もっと精度の高い回答を得るにはどうすればいいんだろう?」そんな風に感じている方も多いのではないでしょうか。

実は先日、AI開発者の間で大きな話題となっている、非常に興味深いシステムが公開されました。その名も「llm-council」。

このシステム、一言でいえば「AIたちが集まって議論し、互いの回答を評価し合う」という、まるで未来の会議のような仕組みなんです。今回は、この「llm-council」が私たちの仕事にどんな可能性をもたらすのか、できるだけ分かりやすく解説していきます。

AIがAIを評価する「llm-council」とは?

まず、「llm-council」とは一体どのようなものか、その概要からお話しします。

このシステムを公開したのは、アンドレイ・カーパシー氏というAI業界では非常に有名なエンジニアです。彼は、テスラでAI部門のトップを務め、現在はOpenAIに所属している、まさにAI開発の最前線にいる人物です。

そんな彼が発表した「llm-council」は、ユーザーが投げかけた一つの質問に対して、複数のAIが一斉に回答を生成し、その後、AI同士が「君の回答はいいね」「いや、私の意見の方が優れている」といったように、互いの回答を評価し合う、という画期的な仕組みです。

これまで私たちは、どのAIが優れているかを判断するために、性能を測るためのテストの結果を見たり、実際に自分で使ってみて比較したりしていました。しかし、「llm-council」は、AI自身に他のAIを評価させるという、全く新しいアプローチを提案しているのです。

AI会議はどのように進むのか?

では、具体的にAIたちはどのようにして議論を進めていくのでしょうか。その流れをステップごとに見ていきましょう。

複数のAIが一斉に回答を考える

まず、ユーザーが「日本のインバウンド観光をさらに盛り上げるためのマーケティング戦略を提案してください」といった質問をシステムに投げかけます。

すると、その質問は「OpenRouter」というプラットフォームを通じて、様々な種類のAIに一斉に送られます。OpenRouterは、色々な会社のAIモデルを一つの窓口で使えるようにしてくれる便利なサービスです。

例えば、GPT-5.1やGemini 3といった、皆さんも一度は耳にしたことがあるであろう有名AIモデルたちが、それぞれ候補者として同じ質問に対する回答案を作成します。まるで、コンペに参加する各社の担当者が、必死に企画書を練り上げているようなイメージですね。

AI同士による真剣な評価とディベート

ここからが「llm-council」の最も面白いところです。各AIが提出した回答案は、他のAIたちによって厳しくチェックされます。

例えば、GPT-5.1が「SNSでのインフルエンサー活用が重要です」と回答したとします。それに対して、Gemini 3が「その意見には賛成だが、どの国のインフルエンサーを起用するのか、具体的なターゲット層まで言及すべきだ」と鋭い指摘を入れるかもしれません。また、別のAIが「インフルエンサー施策も良いが、伝統文化の体験型コンテンツを充実させる方が、長期的なファン獲得に繋がるのではないか」と、全く違う角度から意見を述べることもあります。

このように、AIたちが互いの回答を褒めたり、批判したり、補足したりしながら、議論を深めていくのです。人間が会議で意見をぶつけ合い、アイデアをブラッシュアップしていく過程と非常によく似ていますよね。

議長AIが議論をまとめて最終提案

そして最後に、議長役を務めるAIが登場します。この議長AIは、それまでに行われた全ての議論の内容を冷静に分析します。

単に一番多くの支持を集めた回答を選ぶわけではありません。それぞれのAIが述べた良い点や鋭い指摘をすべて統合し、「AのAIが提案した戦略をベースに、BのAIが指摘したターゲット設定の視点を加え、さらにCのAIが提案した体験コンテンツの要素も盛り込むのが最も効果的でしょう」といった形で、議論の末にたどり着いた、最も洗練された最終回答を提案してくれるのです。

まさに、様々な専門家の意見を取りまとめる、優秀なファシリテーターのような役割を果たしてくれます。

なぜ今「llm-council」が注目されるのか?

このAI同士が議論する仕組みは、私たちにとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

より信頼性の高い答えが得られる

個人事業主や経営者の皆さんが事業の重要な判断をする際、一人の専門家の意見だけを鵜呑みにするのは少し不安がありませんか。できれば複数の専門家から意見を聞いて、多角的に物事を判断したいと思うはずです。

「llm-council」は、それをAIの世界で実現してくれます。一つのAIが出した答えに頼るのではなく、様々な個性や得意分野を持つAIたちの知性を結集させた、より客観的で信頼性の高い回答を得られる可能性が高まります。新しい事業のアイデア出しや、マーケティング戦略の壁打ち相手として、これほど心強い存在はないかもしれません。まるで、超優秀なコンサルタントチームをいつでも呼び出せるような感覚です。

AIの本当の実力が見えてくる

この仕組みは、AIの性能を測る新しい物差しにもなり得ます。従来のテストでは測れなかった、「論理的な矛盾を指摘する能力」や「斬新なアイデアを出す創造性」「他者の意見をまとめて要約する能力」といった、AIの個性や得意分野が、議論の過程で浮き彫りになってくるからです。

今後、「このAIは分析が得意だからデータ整理をお願いしよう」「こっちのAIはクリエイティブだからキャッチコピーを考えてもらおう」といったように、AIの個性を理解した上で、適材適所で使い分ける時代が来るかもしれませんね。

まとめ

今回は、AI界の重鎮アンドレイ・カーパシー氏が公開した「llm-council」についてご紹介しました。

複数のAIが互いの回答を評価し合い、議論を通じて最適な答えを導き出すこの仕組みは、単に面白いだけでなく、AIが生み出す情報の質を格段に向上させ、AI自身の能力を測る新しい基準となる大きな可能性を秘めています。

AIの進化は、私たちの想像をはるかに超えるスピードで進んでいます。これからも、皆さんのビジネスに役立つ最新のAI情報を、分かりやすくお届けしていきたいと思っています。AIをどう活用すれば事業がもっと良くなるか、一緒に考えていきましょう。

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岡田 直記 プロフィール写真

監修者:岡田 直記

AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長

企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。

自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。

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