PerplexityがPayPalと提携!ECの常識が今変わる

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AI情報発信と業務効率化コンサルをしているナオキです。

皆さんのビジネスでは、AIをどのようにお使いでしょうか。日々の業務効率化やSNS運用など、AIの活躍の場はどんどん広がっていますね。私もクライアント様のCRM導入支援などでAIの力を借りることが増え、その進化の速さには毎日驚かされています。

さて、そんなAIの世界で、また一つ大きなニュースが飛び込んできました。それは、私たちの「買い物」の体験を根本から変えてしまうかもしれない、とても興味深い動きです。

今回は、会話型AI検索エンジンとして人気のPerplexityが、オンライン決済サービスのPayPalと提携して始めた新しいショッピング機能について、私たち個人事業主や中小企業経営者にどのような影響があるのか、分かりやすく解説していきたいと思います。

Just a moment...

まずは基本から PerplexityってどんなAI?

もしかしたら、「Perplexityって初めて聞いた」という方もいらっしゃるかもしれません。簡単にご説明すると、Perplexityは「会話しながら答えを探してくれる、賢い検索エンジン」です。

従来の検索エンジンだと、キーワードを入力すると関連するウェブサイトのリストがずらっと表示されます。そこから自分でサイトを一つひとつ見て、情報を探す必要がありました。

一方、Perplexityは「来週の東京出張におすすめのホテルを3つ教えて」とか「中小企業向けの助成金についてまとめて」といった感じで、まるでアシスタントにお願いするように質問を投げかけると、AIがインターネット上の情報を集約して、分かりやすい文章で答えを生成してくれます。さらに、その情報の元になったウェブサイトのリンクも示してくれるので、情報の信頼性を確認しやすいのが大きな特徴です。

私も市場調査や情報収集の際には、このPerplexityを頻繁に活用しています。情報源が明確なので、リサーチの時間を大幅に短縮できるんですよ。

検索から購入までワンクリック 「Instant Buy」機能の衝撃

さて、ここからが本題です。これまでPerplexityは、あくまで商品をおすすめしてくれる「相談役」でした。例えば、「仕事がはかどる高性能なキーボードは?」と聞けば、いくつか候補を挙げてくれる。でも、それを買うためには、結局自分でその商品の販売サイトに移動して、購入手続きをする必要がありました。

ところが、今回のPayPalとの提携で、この手間が一気になくなることになります。

これまでの流れ

1.Perplexityに「おすすめのキーボードは?」と質問する。
2.AIがいくつか商品を提案してくれる。
3.気に入った商品を見つけたら、その販売サイトのリンクをクリックして移動する。
4.販売サイトでカートに入れ、住所や支払い情報を入力して購入を完了する。

これからの流れ

1.Perplexityに「おすすめのキーボードは?」と質問する。
2.AIが商品を提案してくれる。
3.商品の横に「Instant Buy」というボタンが表示される。
4.そのボタンを押すだけで、PayPalアカウントを通じて支払いが完了する。

いかがでしょうか。検索して、商品を見つけて、そのまま購入。この一連の流れがAIとの会話の中で完結してしまうのです。これはまるで、優秀な百貨店の店員さんに相談して商品をいくつか見せてもらい、「じゃあ、これください」と言ったら、その場で会計まで済ませてくれるような感覚に近いかもしれません。

この「探す手間」と「買う手間」の間の壁が取り払われることは、消費者にとっては非常に便利ですし、商品を販売する側にとっても大きなチャンスとなり得ます。

なぜ今? 静かに始まったAIショッピング競争

実はこの動き、Perplexityだけのものではありません。つい先日、ChatGPTを開発したOpenAIも、同様にAIとの会話から商品購入に繋げる機能を発表したばかりです。

これは偶然ではなく、AI開発のトップ企業が、次の主戦場として「eコマース」、つまりネット通販の領域に本格的に乗り出してきた証拠と言えるでしょう。

なぜなら、ユーザーが「何かを買いたい」と思ったその瞬間こそが、ビジネスにおける最も重要なタイミングだからです。AIは、ユーザーの質問や会話の中からその「買いたい」という気持ちを正確に読み取り、最適な商品を提案し、購入までの道のりを極限まで短くすることができます。この流れを自社のプラットフォームで実現できれば、とてつもなく大きなビジネスになるわけです。

これからは、「どのサイトで買うか」の前に、「どのAIに相談するか」が重要になる時代が来るかもしれませんね。

私たちビジネスオーナーへの影響とチャンス

では、この大きな変化の波に対して、私たち個人事業主や中小企業の経営者はどう向き合えば良いのでしょうか。これは決して対岸の火事ではなく、私たちのビジネスに直接関わってくる問題です。

お客様の購買行動が大きく変わる

まず理解しておくべきは、お客様が商品やサービスにたどり着くまでの道のりが変わる可能性がある、ということです。

これまでは、検索エンジンで情報を集め、比較サイトで検討し、お気に入りのECサイトで購入する、という流れが一般的でした。しかし今後は、「AIに相談して、AIがおすすめするものをそのまま買う」というショートカットを選ぶ人が増えてくるかもしれません。

これは、自社の商品やサービスをどうやってお客様に知ってもらうか、というマーケティング戦略そのものを見直すきっかけになります。

この新しい波に乗るためのヒント

では、具体的にどんな準備ができるでしょうか。いくつか考えてみましょう。

一つ目は、「AIに選ばれる」ための情報発信です。AIはインターネット上の膨大な情報を学習して、ユーザーに商品を提案します。つまり、AIにとって「これは質の高い、信頼できる商品だ」と認識してもらうことが非常に重要になります。

ウェブサイトの商品説明をより詳しく、分かりやすく書く。お客様からの良いレビューを積極的に集める。自社のブログやSNSで、商品の使い方や専門的な情報を丁寧に発信する。こうした地道な取り組みが、巡り巡ってAIからの評価を高めることに繋がります。これまでSEO(検索エンジン最適化)という言葉がありましたが、これからは「AIO(AI最適化)」といった考え方も必要になるかもしれません。

二つ目は、決済手段の多様化です。今回のPerplexityの例でも分かるように、「Instant Buy」のような機能はPayPalという特定の決済サービスと連携して実現されています。今後、他のAIも様々な決済サービスと連携していくでしょう。お客様が「買いたい」と思った瞬間に、その人が使いたい決済方法が用意されていなければ、せっかくのチャンスを逃してしまいます。あなたのネットショップは、お客様が求める決済方法に対応できているでしょうか。この機会に一度見直してみるのも良いかもしれません。

まとめ

今回は、PerplexityとPayPalの提携というニュースをきっかけに、AIがもたらす新しいショッピングの未来について考えてみました。

AIとの会話からシームレスに商品が購入できる世界。それはまだ始まったばかりですが、私たちのビジネス環境を大きく変える可能性を秘めています。お客様の行動がどう変わっていくのかを注意深く見守り、今のうちから自社の情報発信や販売方法を見直しておくこと。それが、数年後に大きな差を生むはずです。

私も、AIコンサルタントとして、この分野の最新情報を引き続き追いかけ、皆さんのビジネスに役立つ情報をお届けしていきたいと思っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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岡田 直記 プロフィール写真

監修者:岡田 直記

AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長

企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。

自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。

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