AI活用の専門家として活動しているナオキです。
日々の業務に追われる中で、「AI」という言葉を耳にする機会が本当に増えましたよね。個人事業主の方や中小企業の経営者の皆さんとお話ししていても、「AIが便利そうだとは思うけど、何から手をつければいいか分からない」「自分の仕事がAIに奪われるのではないかと、少し不安に感じる」といった声をよく聞きます。
そんな皆さんに、今日は少し衝撃的かもしれませんが、非常に重要な未来予測についてお話ししたいと思います。もし、今からたった3年後、あなたが毎日パソコンに向かって行っている仕事の価値が、根底から変わってしまうとしたら、どう感じますか。
これは単なるSFの話ではありません。画像生成AIで世界的に有名なStability AIのトップ、Emad Mostaque氏が語った、すぐそこまで迫っている未来の働き方についてのお話です。
衝撃的な未来予測、AIの第一人者が語る「3年後の現実」
まず、今回お話しするEmad Mostaque氏がどんな人物か簡単にご紹介します。彼は、簡単な言葉を入力するだけで高品質な画像を生成できるAI「Stable Diffusion」を開発した企業、Stability AIの創業者です。AI業界の最前線を走り続ける彼が、私たちの働き方について、非常に具体的な見通しを示しました。
彼の予測のポイントは大きく二つあります。
人間のように考えるAI「AGI」の足音
一つ目は、AIの進化スピードが私たちの想像をはるかに超えているという点です。彼は、AIが今年中に大きな進化を遂げ、来年にはさらなる飛躍が訪れると予測しています。
ここで出てくるのが「汎用人工知能（AGI）」です。これは「人間のように、教えられていないことでも自分で学習し、様々な種類の問題を解決できるAI」のことです。今私たちが使っているAIは、文章作成や画像生成など、特定の作業に特化したものがほとんどですが、AGIはもっと万能な存在です。
Mostaque氏は、このAGIの時代がもう間もなくだと指摘しています。それは、私たちの仕事や社会のあり方を根本から変えるほどのインパクトを持つでしょう。
3年以内に訪れる「経済的転換点」の衝撃
そして、二つ目が今回の本題であり、最も衝撃的な予測です。彼はこう語りました。
「今後およそ3年以内に、キーボードとマウスを使う多くの仕事は、AIに比べて経済的な価値が低くなるだろう」
これは一体どういう意味でしょうか。
簡単に言えば、私たちが普段パソコンで行っているデジタルな作業の多くにおいて、「人間が作業するよりも、AIに任せた方がコストが安く、効率的になる」という「経済的転換点」が、わずか3年でやってくるという強い警告なのです。
例えば、毎日のように行っているメールの返信、報告書の作成、データ入力、SNSの投稿文作成、リサーチ業務などを思い浮かべてみてください。これらの作業にかかる人件費と、AIツールの利用料を天秤にかけたとき、AIに軍配が上がる時代が目前に迫っているということです。これは、私たち個人事業主や、限られたリソースで事業を運営する中小企業にとって、決して他人事ではありません。
私たちはどうすればいいのか？AI時代を生き抜く唯一の道
ここまで聞くと、「自分の仕事は大丈夫だろうか」と不安に感じた方も多いかもしれません。しかし、Mostaque氏はただ危機を煽っているわけではありません。彼は同時に、この大きな変化の波の中で、私たちが取り残されないための唯一の方法も示してくれています。
それは、AIと争うのではなく、「AIと協力して、自らの能力を増強する」ことです。
AIは敵ではなく、最強のビジネスパートナー
AIに仕事を奪われる、と考えるのではなく、AIを自分の能力を何倍にも高めてくれる「優秀なアシスタント」や「最強のビジネスパートナー」として捉える視点の転換が必要です。
ここで私自身の話を少しさせてください。私も最初はAIに対して少し身構えていました。しかし、今では日々の業務にAIが欠かせない存在になっています。例えば、このブログ記事を書く際の構成案のアイデア出し、クライアント様に提案するSNS投稿のキャッチコピー案の作成、煩雑な情報のリサーチと要約など、様々な場面でAIを活用しています。
その結果、どうなったか。これまで単純作業にかけていた時間を大幅に削減でき、その分、クライアント様との対話や、より創造性が求められる戦略立案といった、私にしかできない本質的な業務に集中できるようになったのです。まさに、AIによって私の能力が「増強」されたと実感しています。
今日からできる、AI活用の第一歩
「言うは易し、行うは難し」ですよね。では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。難しく考える必要はありません。まずは小さな一歩を踏み出してみることが大切です。
一つ目は、無料のAIツールに触れてみることです。ChatGPTやMicrosoftのCopilotなど、今すぐ使える優れたAIがたくさんあります。まずは遊び感覚で、今日の業務に関する簡単な質問を投げかけてみてください。「お客様へのこのお礼メール、もっと丁寧な表現はないかな？」とか、「新商品のキャッチコピーを5個考えて」といった具合です。その精度の高さと便利さに、きっと驚くはずです。
二つ目は、ご自身の業務を一度棚卸ししてみることです。毎日キーボードとマウスを使って行っている作業をリストアップし、「この作業は、もしかしたらAIに任せられるかもしれない」という視点で眺めてみましょう。定型的なメール作成やデータ整理など、意外と多くの「AI化できる業務」が見つかるはずです。
この変化は、脅威であると同時に、これまでになかった大きなビジネスチャンスでもあります。AIを使いこなすことで、ライバルよりも一歩先に進み、新しい価値を生み出すことができるのです。
まとめ：変化の波を乗りこなし、未来のチャンスを掴むために
Stability AIのEmad Mostaque氏が語る「3年後の未来」は、私たちにとって厳しい現実を突きつけるものであると同時に、新しい働き方への道しるべでもあります。
キーボードとマウスで行う仕事の価値が変わる時代。それは、私たちがこれまで「作業」だと思っていたことから解放され、より人間らしい創造性やコミュニケーションが求められる時代へのシフトを意味します。
変化を恐れるのではなく、まずは小さな一歩を踏み出し、AIという新しいパートナーと共に未来へ進んでいきましょう。AIの導入や業務効率化について、何かお困りのことがあれば、いつでも気軽にお声がけくださいね。
監修者：岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。
