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生成AIにIT導入補助金は使える?2026年の申請条件と落とし穴

AI活用コンサルタントのナオキです。中小企業の皆さんや個人事業主の方々へ、AIを使った業務効率化のお手伝いをしています。

この記事を読まれている方の中には、「生成AIを会社に導入したいが、費用がネックになっている。補助金が使えるなら活用したい」と考えている方はいませんか?

結論からお伝えすると、IT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に生まれ変わり、AIの活用が制度の柱に位置づけられました。ただし、申請には見落としやすい条件がいくつかあるのも事実です。そこで本記事では、公式サイトの情報をもとに、補助額・補助率の基本と、申請前に知っておきたい落とし穴を解説します。

2026年「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」へ

まず、制度の全体像から確認しましょう。中小企業のITツール導入を支援してきたIT導入補助金は、2026年に「デジタル化・AI導入補助金」へと名称が変更されました。公式サイトによると、ITツールの導入にとどまらず、より踏み込んだデジタル化の推進とAIの活用が重要であることを広く周知するのが、名称変更の狙いです(2026年7月16日時点)。

生成AIの導入を考えている会社にとって追い風となるのが、「AI機能を有するツールの明確化」という変更点です。公式のITツール検索でAI機能を持つツールを絞り込むと、対象ツールにはAIツールであることが明記されるようになりました。つまり、どのツールなら補助対象になり得るのか、経営者が自分の目で確かめやすくなったと言えるでしょう。

なお、申請枠は通常枠のほかに、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠が用意されています。生成AIを含む一般的な業務ソフトの導入を考えるなら、まずは通常枠から確認するのがおすすめです。

いくら補助される?通常枠の金額と条件

ここからは、最も基本となる通常枠の数字を確認します。補助率は対象経費の1/2以内で、最低賃金近傍の事業者に該当する場合は2/3以内に引き上げられます。補助額は、導入するITツールがカバーする業務プロセスの数で変わり、1〜3プロセスで5万円〜150万円、4プロセス以上で150万円〜450万円です(いずれも2026年7月16日時点。制度・金額は変わるため、最新の条件は公式サイトで必ずご確認ください)。

対象経費の範囲も押さえておきましょう。ソフトウェアの購入費だけでなく、クラウド利用料は最大2年分、導入コンサルティングや導入研修、保守サポートといった「使いこなすための費用」まで補助対象に含まれます。生成AIは導入後の定着支援こそ重要ですから、この範囲の広さは中小企業にとって大きな魅力と言えます。公式サイトには補助額を試算できる補助金シミュレーターも用意されているので、検討の初期段階で概算を掴むのに役立ててみてください。

直近のスケジュールも見ておきましょう。通常枠の3次締切は2026年7月21日(火)17時、交付決定は9月2日の予定です。以降の締切も公式の事業スケジュールで公表されていますので、ぜひ自社に合った回を選んで申請してください。

申請前に知っておきたい3つの落とし穴

数字だけ見ると使いやすい制度に見えますが、生成AIの導入で使う場合には注意点があります。ここからは、私が相談の場でよくお伝えしている3つの落とし穴を順に見ていきましょう。

1つ目は、自分で契約したChatGPTなどはそのままでは対象にならない、という点です。補助対象となるのは、事務局の審査を受けて登録されたITツールだけ。しかも、事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーを組んで申請する仕組みです(複数者連携枠を除く)。月額数千円のプランを自社で直接契約する使い方は、この補助金の対象外だと覚えておいてください。

2つ目は、「何でもできるAIツール」単体では申請できない、という点です。通常枠では、顧客対応・販売支援や会計・財務など、定められた業務プロセスを1種類以上カバーするソフトウェアであることが要件とされ、業務を限定しない汎用・自動化・分析ツールだけの申請は認められていません。生成AIを導入するなら、「どの業務を良くするためのツールなのか」を明確に語れる形にしておきましょう。例えば顧客対応の支援や経理業務の効率化など、具体的な業務に紐づいた登録ツールを選ぶのが基本の考え方だと、私はお伝えしています。

3つ目は、2回目以降の申請に追加された賃上げ要件です。2022〜2025年でIT導入補助金の交付決定を受けた事業者が再び申請する場合、従業員の給与引き上げに関する目標を含む3年間の事業計画を策定・実行し、効果報告まで行うことが要件になりました。具体的に求められるのは、1人当たり給与支給総額の年平均成長率を、日本銀行が定める「物価安定の目標」に1.5%を上乗せした水準以上で伸ばすことと、賃金引き上げ計画を従業員へ表明することです。要件未達や報告未提出の場合は補助金の全部または一部の返還もあり得るため、リピート申請を考えている方は先に交付規程を確認してください。

今日からできる準備

申請の手続き自体はIT導入支援事業者と一緒に進めることになりますが、その前に自社でできる準備があります。まず、公式サイトのITツール検索で「AI機能あり」のツールを眺めて、自社の課題に近いものに当たりを付けてみてください。あわせて、「どの業務の、どの作業を、どれくらい減らしたいのか」をメモにまとめておくと、支援事業者との最初の相談が格段にスムーズに進みます。ちなみに3次締切分の場合、事業実施期間は交付決定から2027年2月26日までの予定とされていますので、導入や研修の時期もこの範囲で計画しておきましょう。補助金はツールを買う口実ではなく、業務を見直すきっかけとして使ってみてください。

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ナオキの所感

研修や相談の場で感じるのは、補助金を上手に使う会社ほど「補助金ありき」で動いていない、ということです。先に「この業務のこの作業を減らしたい」という目的があり、その手段としてツールと補助金を選んでいます。制度の名称にAIが入ったことで、今後は登録されるAIツールも増えていくと私は見ていますが、選択肢が増えるほど大事になるのは選ぶ基準の方でしょう。金額の大きさに目を奪われるのではなく、自社の課題から逆算する順番さえ守れば、この補助金は中小企業にとって心強い制度だと感じています。

まとめ

今回は、生成AIの導入にIT導入補助金が使えるのかを、2026年の制度内容に沿って解説しました。制度は「デジタル化・AI導入補助金」へと生まれ変わり、通常枠では補助率1/2以内・補助額最大450万円の支援が用意されています。一方で、対象は登録済みのITツールに限られること、汎用ツール単体では申請できないこと、2回目以降は賃上げ要件が加わることの3点には注意が必要です。制度や金額は変わることがあるため、申請前には必ず公式サイトで最新情報を確かめたうえで、まずはITツール検索から始めてみてください。

参考:デジタル化・AI導入補助金2026の概要について(公式・2026年7月16日時点)

参考:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠(公式・2026年7月16日時点)

参考:デジタル化・AI導入補助金制度概要(公式・2026年7月16日時点)

この記事の監修者

岡田直記

岡田 直記(おかだ なおき)

Yohaku creation 代表/AI活用コンサルタント

セブン-イレブン・ジャパンでの10年以上の営業経験を経て独立し、これまでに200名以上の個人・10社以上の企業を支援。「導入して終わり」にしない伴走型の生成AIコンサルティングを強みに、現場が自らAIを使いこなす「自走する組織」への変革をサポートしています。

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