いつもAIを活用した業務効率化やSNS運用について情報発信をしているナオキです。
さて、皆さんはAIと聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか。「正確無比な計算機」「感情のない機械」といった、少し冷たい印象を持っている方も多いかもしれません。ですが、もしAIにも人間のような「個性」や「性格」があるとしたら、驚きませんか。
実は最近の研究で、私たちが普段使っている人気のAIモデルたちに、それぞれ明確な「性格の違い」があることがわかってきたんです。今回はこの衝撃的な事実について、皆さんのビジネスにどう活かせるのか、具体例を交えながら分かりやすく解説していきます。AI選びの新しい常識、ぜひ最後までお付き合いください。
AIにも性格がある?最新研究が明らかにした驚きの事実
先日、AI開発で有名なAnthropicなどの研究チームが、非常に興味深い実験結果を発表しました。彼らは、ChatGPTで知られるOpenAIのモデルや、GoogleのGemini、そして自社開発のClaudeといった、主要な大規模言語モデル(LLM)を対象に、様々な質問を投げかけ、その応答の違いを分析したのです。
ここで少しだけ専門用語の説明ですが、「大規模言語モデル」とは、インターネット上の膨大な文章を学習して、人間のように自然な言葉を操るAIのことです。私たちが普段「AIチャット」と呼んでいるものの頭脳部分だと思ってください。
実験の結果、明らかになったのは、それぞれのAIが特定の価値観や判断基準を持っているということでした。まるで、私たち人間が一人ひとり違う考え方を持っているように、AIにも「個性」と呼べるようなものが存在したのです。これは、AIが単なる計算機ではなく、もっと複雑で奥深い存在であることを示唆しています。
モデル別「AIの個性」を徹底比較
それでは、具体的にそれぞれのAIがどんな個性を持っているのか、見ていきましょう。ここでは代表的なモデルを取り上げて、その特徴と、ビジネスでのおすすめの活用シーンをご紹介します。
倫理観と誠実さを重視する「優等生タイプ」のClaude
まず、Anthropic社が開発したClaudeです。このAIは、実験において「倫理観」や「誠実さ」を非常に重視する傾向が明らかになりました。難しい判断を迫られたときでも、公平で嘘のない、道徳的な答えを導き出そうとする、いわば「優等生タイプ」と言えるでしょう。
例えば、ビジネスの場面では、お客様対応のメール文案作成や、企業のコンプライアンスに関わる社内文書のチェックといった、慎重さが求められる業務で非常に頼りになります。私自身も、クライアントへの提案書を作成する際に、誤解を招く表現や不適切な言い回しがないか、Claudeにダブルチェックしてもらうことがあります。安心感のある、信頼できるパートナーですね。
人の心に寄り添う「共感タイプ」のGemini
次に、Googleが開発したGeminiです。このAIは、他のモデルに比べて「感情的な深さ」を大切にする傾向が見られました。論理だけでなく、人の気持ちや文脈の裏にある感情を汲み取ろうとする姿勢は、まさに「共感タイプ」です。
この個性を活かせるのは、やはり顧客とのコミュニケーションが鍵となる業務でしょう。例えば、SNSでお客様の心に響くような投稿文を考えたり、ECサイトに寄せられたレビューに対して、温かみのある感謝の返信文を作成したりするのに向いています。ただ事実を並べるだけでなく、ファンの心をぐっと掴むような言葉選びを手伝ってくれるはずです。
とにかく効率重視の「仕事人タイプ」のOpenAIモデルやGrok
最後に、ChatGPTで広く使われているOpenAIのモデルや、イーロンマスク氏が率いるxAIが開発したGrokです。これらのAIは、倫理や感情よりも「効率性」を最優先する傾向がありました。回りくどい言い方をせず、最短距離で結論を導き出すことを得意とする、まさに「仕事人タイプ」です。
このタイプのAIは、スピードが求められる業務で真価を発揮します。大量の市場データから重要なポイントを要約させたり、プログラミングのコードを生成させたり、とにかく早く答えが欲しい場面では最高の相棒になります。「結論から先に教えてほしい」というせっかちな方には、とても相性が良いかもしれません。
なぜAIに「個性」が生まれるのか
ここで一つ、面白い点があります。これらの「個性」は、開発者が意図的にプログラムしたものではない、ということです。では、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか。
その理由は、AIが学習した膨大なデータとその後の調整過程にあると考えられています。AIは、インターネット上のニュース記事、ブログ、書籍、SNSの会話など、ありとあらゆる文章を読み込んで言葉を学びます。その過程で、人間が書いた文章に含まれる様々な価値観や考え方のクセ、文化的な背景などを、知らず知らずのうちに吸収していくのです。
つまり、AIはルール通りに動く完璧な機械だと思われがちですが、現実世界の白黒つけがたい曖昧な問題に直面したとき、そのAIが学習過程で身につけた「個性」が、判断に影響を与える可能性があるということです。これは、AIを使う上で非常に重要なポイントになります。
あなたのビジネスに最適なAIパートナーを見つけるために
ここまでお話ししてきたように、AIにはそれぞれ得意なことや考え方のクセがあります。これからの時代、AIをうまく活用するためには、こうした「個性」を理解し、業務内容に合わせて賢く使い分ける視点が不可欠です。
皆さんも、AIを単なる便利な「道具」として見るだけでなく、個性を持った「仕事のパートナー」として捉えてみてはいかがでしょうか。
まずは、無料で使えるサービスも多いので、ぜひ色々なAIを試してみてください。同じ質問をいくつかのAIに投げかけて、その答え方や言葉選びの違いを比較してみるだけでも、それぞれの個性が感じられて面白いですよ。
例えば、丁寧な顧客対応が求められる業務ならClaudeやGeminiを、データ分析や資料作成のようにスピードと正確さが重要な業務ならOpenAIのモデルを、というように、あなたの仕事内容に最適なAIパートナーを選んでみましょう。
あなたのビジネスでは、どんな個性を持ったAIが活躍してくれそうでしょうか。ぜひ一度、チームのメンバーになったつもりで、AIの個性を想像してみてください。
AIの「個性」を理解することは、これからのビジネスの成功を左右する鍵になるかもしれません。私もフリーランスとして、引き続き皆さんのビジネスに役立つ最新のAI情報をお届けしていきます。AIを賢く、そして楽しく活用して、一緒にビジネスを成長させていきましょう。
監修者:岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。

