AIを活用したビジネスの効率化をお手伝いしているナオキです。個人事業主の方や中小企業の経営者様と一緒に、AIをどう仕事に活かせるか、日々奮闘しています。
さて、今日は少し未来の話をしてみたいと思います。皆さんは、テスラやスペースXを率いるイーロン・マスク氏の名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。彼が最近、今から10年、20年先の未来について、非常に興味深く、そして少し衝撃的な予測を語りました。
それは、「仕事は義務ではなくなり、お金の重要性もなくなる」というものです。
私自身、最初に聞いたときは驚きました。しかし、AIの進化を間近で見ていると、彼の言葉が単なる夢物語ではなく、私たちがこれから直面する未来の可能性を示しているように思えてくるのです。
この記事では、マスク氏が描く未来像を紐解きながら、私たち事業主がその変化の波にどう備えていけば良いのか、一緒に考えていきたいと思います。
未来の仕事は「趣味」になる？
まず、仕事についての彼の予測から見ていきましょう。
働くことは義務ではなく選択肢に
マスク氏は、将来、仕事は「生計を立てるための義務」ではなくなると言います。AIやロボットが社会に必要なモノやサービスを十分に生産してくれるようになるため、人間は生活のために働く必要がなくなるというのです。
では、私たちは何をすることになるのでしょうか。彼は、仕事は「やりたい人がやる選択肢」に変わると語っています。それはまるで、自分の家の裏庭で趣味で野菜を育てるような感覚に近いのかもしれません。誰かに強制されるのではなく、純粋な興味や楽しみ、あるいは自己実現のために、スポーツやゲームのように仕事に取り組む。そんな時代が来るというのです。
もし、明日から生活費の心配を一切しなくてよくなるとしたら、あなたは何をして過ごしますか。今の仕事を続けますか、それとも全く新しいことに挑戦するでしょうか。少し立ち止まって想像してみると、自分が本当に大切にしたいことが見えてくるかもしれません。
お金の価値がなくなる時代の到来
そして、さらに衝撃的なのが「お金」に関する予測です。
AIとロボットが創り出す「豊かさ」
マスク氏によれば、究極的には「お金の重要性がなくなる」未来が訪れるとのこと。これは、AIとロボットの生産能力が飛躍的に向上し、ありとあらゆるモノやサービスが豊富に供給されるようになるからです。誰もが欲しいものを手に入れられる「潤沢な世界」が実現すれば、交換の手段であるお金は、その役割を終えるというわけです。
そうなったとき、社会の課題となるのはお金の有無ではなく、「物理的な制約」だけになると彼は言います。例えば、何かを生産するためのエネルギー（電気）や資源が足りるか、といった問題です。つまり、お金で解決する問題はなくなり、地球上の資源をどう効率的に使うかという、より本質的な課題だけが残る世界です。
にわかには信じがたい話ですが、AI技術の進化スピードを見ていると、生産性が爆発的に向上する未来は、そう遠くないのかもしれないと感じさせられます。
SFのような未来、私たちはどう向き合うか？
では、このような未来予測を受けて、今ビジネスの現場にいる私たちは、何を考え、どう行動すれば良いのでしょうか。
変化の兆しはすでにある
実は、マスク氏が語る未来の片鱗は、すでに私たちの身の回りに現れ始めています。私が支援させていただいているクライアント様の中でも、AIを導入して日々の業務を自動化する事例がどんどん増えています。
例えば、顧客からの問い合わせメールへの一次返信、SNS投稿文の作成、毎月の売上データの分析とレポート作成など、これまで人が時間をかけて行っていた作業をAIが代行してくれるようになりました。
これは、人間が「やらなければならない単純作業」から解放され始めている証拠です。そして、空いた時間を使って、もっと創造的な仕事、例えば新しいサービスの企画や、お客様一人ひとりとの丁寧なコミュニケーションに時間を割けるようになっています。これはまさに、仕事が「義務」から「楽しみ」へとシフトしていく第一歩と言えるのではないでしょうか。
個人事業主や経営者にとっての「チャンス」
「AIに仕事が奪われる」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私はこれを大きな「チャンス」だと捉えています。
私たち人間には、AIには真似できない強みがあります。それは、独創的なアイデアを生み出す創造性、相手の心に寄り添う共感力、そして未来へのビジョンを描く力です。
AIを、仕事を奪うライバルではなく、面倒な作業を引き受けてくれる優秀な「相棒」だと考えてみてください。AIという相棒に任せられることはどんどん任せて、私たちは人間にしかできない、より付加価値の高い活動に集中する。これこそが、これからの時代の事業主や経営者に求められる姿勢だと思います。
今から始めたい、未来への３つの準備
それでは最後に、来るべき未来に向けて、私たちが今から準備できることを３つ提案させてください。
準備１ AIを「相棒」にする
まずは、AIに触れてみることです。例えば、ChatGPTのような文章生成AIに、ブログ記事のアイデア出しを手伝ってもらう。画像生成AIで、SNS投稿に添える画像を作ってみる。そんな小さな一歩からで十分です。AIを使いこなすスキルは、これからのビジネスにおいて、パソコンやスマートフォンの操作スキルと同じくらい当たり前のものになっていくはずです。まずはAIを「敵」ではなく「便利な相棒」として受け入れることから始めましょう。
準備２ あなたの「本当にやりたいこと」は何か
もし、お金のために働く必要がなくなるとしたら、あなたは何を通じて社会と関わりたいですか。これは、あなたの事業の「存在意義」そのものを問い直すことにつながります。お客様にどんな価値を提供したいのか、どんな世界を実現したいのか。その情熱こそが、AIには生み出せない、あなたのビジネスだけの魅力になります。この機会に、ご自身の事業の原点やビジョンを改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
準備３ 「人とのつながり」を再評価する
どんなにテクノロジーが進化しても、人は人との温かいコミュニケーションを求める生き物です。AIが効率化を進めるほど、人間同士の信頼関係や共感の価値は、むしろ高まっていくでしょう。お客様との何気ない会話、従業員との信頼関係、地域社会とのつながり。こうした「人とのつながり」を今まで以上に大切にすることが、結果的にあなたのビジネスを強く、そしてユニークなものにしてくれるはずです。
まとめ
イーロン・マスク氏が語る「仕事とお金がなくなる未来」。それは、遠い空想の話ではなく、今まさに始まっている変化の延長線上にあるのかもしれません。
この大きな変化の波を、不安と共にただ待つのではなく、新しい可能性に満ちたワクワクする未来として捉え、今できることから一歩ずつ準備を始めてみませんか。AIという強力な相棒と共に、あなたにしかできない価値を創造していく。そんな未来は、きっと楽しいものになるはずです。
皆さんは、AIが当たり前になった未来で、どんな仕事をしてみたいですか。
監修者：岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。
