AIを活用した業務効率化をサポートしているナオキです。
個人事業主や中小企業の経営者の方とお話ししていると、「やりたいことはたくさんあるのに、時間が足りない」という悩みを本当によく耳にします。日々の業務に追われ、新しいチャレンジや事業の改善にまで手が回らない。あなたも、そんな風に感じたことはありませんか。
もし、今あなたが30分かけている作業が、たった6分で終わるとしたらどうでしょう。まるで夢のような話に聞こえるかもしれませんが、AIの活用によって、これが現実になりつつあります。
今回は、そんな私たちの働き方を根底から変える可能性を秘めた、非常に興味深い調査結果についてご紹介したいと思います。
30分の作業がたった6分に。AIがもたらす衝撃の時短効果
先日、ChatGPTの強力なライバルとして知られるAI「Claude」を開発した、Anthropicという会社が驚きの調査結果を発表しました。
彼らは、実際にClaudeが使われた10万件もの利用データを分析。その結果、人間が一人で取り組むと平均で90分かかるような少し複雑な作業でも、AIの助けを借りることで、なんと約80パーセントもの時間を短縮できたというのです。
80%の時短、と言われてもピンとこないかもしれませんね。もう少し身近な例に置き換えてみましょう。
例えば、あなたがお客様への提案メールの文章を考えるのに30分かかっていたとします。AIに要点や伝えたいニュアンスを指示して下書きを作ってもらえば、あなたは最終的なチェックと修正をするだけ。これが、たった6分で完了するイメージです。1時間かかっていた市場調査のための情報収集が、12分で終わるようなものです。
私自身も、このブログ記事の構成案を作成したり、SNS投稿のアイデアを考えたりする際にAIを活用していますが、その効果は絶大です。以前はパソコンの前で1時間うんうんと唸っていたような作業が、AIと対話しながら進めることで、15分ほどで骨子が出来上がってしまうことも珍しくありません。AIは、まるで優秀なアシスタントのように、思考の整理を手伝ってくれるんです。
あなたが毎日行っている業務の中に、AIに手伝ってもらえそうな作業はありませんか。メールの返信、会議の議事録作成、資料の要約など、思い当たる節がある方も多いのではないでしょうか。
ビジネスの成長が2倍に加速する未来
この調査がさらにすごいのは、個人の作業効率化にとどまらず、経済全体に与えるインパクトについても言及している点です。
このAIによる効率化が社会全体に広がれば、今後10年間で、国の労働生産性が毎年1.8%も伸びる可能性があると予測されています。この「1.8%」という数字、実は近年の日本の成長率の約2倍にも相当する、とてつもなく大きな数字なんです。
国全体の生産性が上がるということは、私たち一人ひとりのビジネスにも、間違いなく大きなチャンスが生まれるということです。
これまで人手不足や時間不足を理由に諦めていた新しい事業展開に挑戦できるかもしれません。あるいは、作業時間を短縮して生まれた時間を使って、より丁寧な顧客対応をしたり、サービスの質を向上させたりすることもできるでしょう。AIが単純作業を肩代わりしてくれるおかげで、私たちは人間にしかできない、より創造的で付加価値の高い仕事に集中できるようになるのです。
もし、あなたの日々の業務時間が今の半分になったとしたら、その空いた時間で何をしたいですか。家族と過ごす時間を増やしたり、新しいスキルを学ぶ時間に充てたり、もちろん、ビジネスをさらに拡大させるために使ったりと、可能性は無限に広がります。
AI活用のカギは「得意分野」を見極めること
ただし、一つだけ注意点があります。それは、AIは万能ではないということです。今回の調査でも、AIの効果は分野によって差があることが明らかになっています。
AIが得意な仕事、そうでない仕事
AIが特に高い効果を発揮するのは、ソフトウェア開発や法律相談、企画書の作成といった、いわゆる「頭脳労働」です。大量の情報を正確に記憶し、論理的に整理して、新しい文章やアイデアを生成することが得意だからです。
一方で、建設現場で資材を運んだり、介護施設で人を介助したりといった、体を動かす物理的な作業はまだAIにとって苦手な分野です。AIが直接ハンマーを振るったり、人の手を引いたりすることは、今の技術ではまだ難しいのが現実です。
しかし、だからといって物理的な作業を伴う業界でAIが役に立たないわけではありません。例えば、建設業なら、AIを使って最適な工事スケジュールを組んだり、安全管理に関する報告書を自動で作成したりできます。つまり、現場の「作業」そのものではなく、それに付随する「事務作業」や「計画立案」の部分でAIを大いに活用できるのです。
あなたのビジネスにAIをどう活かす？
大切なのは、AIの得意なことと苦手なことを見極め、あなたのビジネスのどこに導入すれば最も効果が出るのかを考えることです。
まずは一度、ご自身の普段の業務をすべて書き出して、棚卸しをしてみてはいかがでしょうか。
毎日、同じような内容の問い合わせに返信していませんか。
新しい商品の説明文を考えるのに、毎回頭を悩ませていませんか。
SNSに投稿する文章を考えるのが、つい億劫になっていませんか。
そういった、少し頭を使うけれど、ある程度パターン化できる作業こそ、AIに任せる最初のステップとして最適です。まずはそうした小さな業務からAIに手伝ってもらうことで、その便利さと効果を実感できるはずです。
まとめ
今回は、AIの活用によって仕事の時間が劇的に短縮されるという、未来への希望に満ちた調査結果をご紹介しました。
AIは私たちの仕事を奪う恐ろしい存在ではなく、むしろ私たちを面倒な作業から解放し、より創造的な活動に時間を使えるようにしてくれる強力な「相棒」です。これからの時代、ビジネスを成長させるためには、この優秀な相棒をいかに使いこなすかが非常に重要になってきます。
この記事を読んで、「少し試してみようかな」と思っていただけたら、まずは無料から使えるAIツールに触れてみることから始めてみてください。きっと、あなたのビジネスを加速させるヒントが見つかるはずです。
もし、ご自身のビジネスで具体的にどうAIを活用すれば良いか分からない、といったお悩みがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
監修者：岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。
