AIを活用した業務効率化をサポートしているフリーランスのナオキです。
個人事業主の方や中小企業の経営者の方とお話ししていると、「AIがすごいのは分かるけど、具体的にどう仕事に活かせばいいのかピンとこない」「いろいろなツールがあって、どれを選べばいいか分からない」といったお声をよく聞きます。毎日の業務に追われる中で、新しい技術を学ぶのは本当に大変なことですよね。
もし、あなただけの優秀なアシスタントがいて、「今日の午後のアポ、全部カレンダーに入れておいて」「先週の売上データをまとめて、関係者にメールで送って」と頼むだけで、面倒な作業をすべて片付けてくれたら、どうでしょうか。
まるでSF映画のような話ですが、そんな未来をぐっと現実に引き寄せる、非常に興味深いサービスが発表されました。今回は、まさに「自分だけのAIエージェント」を作れる新ツール、「QueryPie AI Hub」について、分かりやすく解説していきたいと思います。
あなた専属のAIアシスタント「QueryPie AI Hub」とは?
まず、この「QueryPie AI Hub」とは一体何なのでしょうか。
一言でいうと、「社内で使っている様々なアプリケーションをAIと連携させて、あなただけのAIアシスタント(AIエージェント)を作り、複雑な業務を自動化できるサービス」です。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、仕組みは意外とシンプルです。皆さんが普段お仕事で使っているカレンダー・メール・SlackやTeamsのようなチャットツール・顧客管理システム(CRM)などを、賢いAIに繋いであげるというイメージです。
これまでのAIチャットは、質問に答えたり文章を作ったりするのは得意でしたが、実際にメールを送ったり、カレンダーに予定を登録したりといった「作業」は、結局人間がやらなければなりませんでした。
しかし、このQueryPie AI Hubは、AIが私たちの代わりに、これらのアプリを直接操作してくれるのです。まさに、私たちの指示を理解する「頭脳」だけでなく、実際に作業をこなす「手足」まで持ってくれたような存在と言えるでしょう。
具体例で見る!AIエージェントができること
では、このAIエージェントがいると、私たちの仕事は具体的にどう変わるのでしょうか。いくつか例を挙げてみましょう。
例1:毎朝の定型業務をワンストップで完了
多くのビジネスパーソンが毎朝行っているであろう、こんな作業を想像してみてください。
まず、カレンダーアプリを開いて今日の予定を確認。次にメールソフトを立ち上げ、重要な未読メールがないかチェック。そして、社内チャットツールで各部署からの連絡事項を確認する。場合によっては、これらの情報をまとめて、自分のチームに共有する…
これだけでも、朝の忙しい時間帯に10分や15分はかかってしまいますよね。
もしQueryPie AI Hubを導入していたら、あなたはAIエージェントにこう指示するだけです。
「今日の僕の予定を全部確認して、重要なメールと一緒に要約して。その内容を営業部のチャットチャンネルに投稿して」
この一言で、AIエージェントは裏側で次のように動きます。
- あなたのカレンダーにアクセスし、今日の予定をすべてリストアップします。
- メールソフトに接続し、事前に設定した「重要」ラベルの付いたメールや、特定の差出人からのメールを読み込みます。
- 収集した予定とメールの内容を、自然な日本語で分かりやすく要約します。
- 社内チャットツールを起動し、指定された「営業部」のチャンネルに、要約した内容を自動で投稿します。
これまで複数のアプリを行ったり来たりしながら手作業で行っていた一連の流れが、たった一回の指示で完了するのです。毎朝この作業が自動化されるだけで、どれだけ時間に余裕が生まれるか、想像に難くないでしょう。
例2:営業活動や顧客対応の効率を劇的にアップ
私が支援しているクライアント様にも多いのですが、営業担当者の方は、外出や商談準備で本当に多忙です。そんな時もAIエージェントは頼りになります。
例えば、「明日訪問するA社とB社の情報をCRMから探して。前回の議事録と担当者の情報をまとめて、僕のチャットに送って」と指示します。
するとAIエージェントは、顧客管理システム(CRM)から該当する企業情報を検索し、関連する議事録ファイルを見つけ出し、必要な情報を抽出してあなただけに送ってくれます。もう、移動中に慌ててスマートフォンでいくつものアプリを開いて情報を探す必要はありません。
このように、様々な部署や職種に合わせて、オリジナルのAIエージェントを育てていくことができるのが、QueryPie AI Hubの最大の魅力です。
企業にとって最も重要な「セキュリティ」の問題
さて、ここまで聞くと「すごく便利そうだけど、会社の重要な情報をAIに連携させるのは少し怖いな」と感じる経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。その懸念は、まったくもって正しいです。
便利なツールを社員が個人の判断で使い始め、会社の機密情報が意図せず外部に漏れてしまう「シャドーIT」は、多くの企業が抱える深刻な問題です。
QueryPie AI Hubが特に優れているのは、この点に真正面から向き合っているところです。このサービスは、企業での利用を大前提に設計されており、セキュリティと管理機能が非常に充実しています。
具体的には、「誰が、いつ、どんなアプリを使って、AIにどんな指示を出したか」という利用履歴がすべて記録・管理されるのです。
これによって、企業は以下のメリットを得られます。
- セキュリティの確保
会社として許可した範囲で、安全にAIを活用できます。万が一、不適切な利用があった場合でも、すぐに追跡・対応が可能です。情報漏洩のリスクを最小限に抑えながら、AIの恩恵を受けることができます。 - 透明性の担保
AIの利用状況が可視化されることで、「どの部署のどんな業務でAIが効果的に使われているか」が一目瞭然になります。成功事例を社内全体で共有し、さらなる業務改善に繋げることができるでしょう。
ただ便利なだけでなく、「統制の取れた、安全なAI活用」を実現できること。これこそが、中小企業の経営者にとって、最も心強いポイントではないでしょうか。
まとめ:働き方が変わる時代の幕開け
今回は、自分だけのAIエージェントを作れる新サービス「QueryPie AI Hub」についてご紹介しました。
このツールの登場は、単なる業務効率化ツールのひとつという枠を超えて、私たちの「働き方」そのものを根本から変える可能性を秘めていると、私は感じています。
これまで人間がやっていた、アプリからアプリへ情報を転記するような「作業」は、今後ますますAIエージェントが肩代わりしてくれるようになるでしょう。私たち人間は、そうして生まれた時間を使って、より創造的で、人でなければできない仕事に集中できるようになります。
あなたの会社では、どんなAIエージェントに、どんな仕事を手伝ってもらいたいですか。
「あの面倒な定型業務、AIに任せられないかな?」
そう考えを巡らせることから、未来の働き方への第一歩が始まります。
AIによる業務効率化や、自社に合った安全なAIの導入方法について、もしご興味やお悩みがあれば、いつでもご相談ください。あなたの会社の可能性を最大限に引き出すお手伝いができれば幸いです。