AIを活用したビジネスの効率化をお手伝いしているフリーランスのナオキです。
個人事業主や中小企業の経営者の皆さんとお話ししていると、「これからは動画での情報発信が重要だって分かっているんだけど、なかなか時間がなくて」という声をよく耳にします。専門的な編集ソフトは難しそうだし、外注するにはコストがかかる。そんな悩みを抱えていませんか。
もし、あなたのスマートフォンが、プロ仕様の動画編集スタジオに早変わりするとしたら、どうでしょう。
今回は、そんな夢のような話を現実にしてくれる、驚きのアプリのニュースをお届けします。映像編集のプロなら誰もが知る、あの「Adobe Premiere」が、ついにスマートフォンアプリとして登場したのです。これは、動画制作の常識を大きく変えるゲームチェンジャーかもしれません。
スマホで完結する本格的な動画編集
これまでAdobe Premiereといえば、パソコンでじっくり時間をかけて取り組む、プロ向けの高度な編集ソフトというイメージでした。しかし、今回登場したスマホアプリ版は、そのパワフルな機能を手のひらの上に凝縮しています。
移動中の電車の中や、カフェでのちょっとした休憩時間。そんなスキマ時間を使って、SNSに投稿するショート動画や、お客様への説明動画をサクッと作れるようになります。これまで「編集は帰社してから」と後回しにしていた作業が、思い立ったその場で完結するのです。これは、多忙なビジネスパーソンにとって、これ以上ない朗報ではないでしょうか。
AIが面倒な作業を賢くサポート
このアプリの最大の魅力は、なんといっても進化したAI機能です。これまで多くの人が動画編集で挫折してきた、時間のかかる面倒な作業をAIが肩代わりしてくれます。いくつか代表的な機能を見ていきましょう。
音声の自動補正で聞き取りやすく
屋外で撮影した動画に、風の音が「ゴーッ」と入ってしまったり、インタビュー相手の声が小さくて聞き取りにくかったりした経験はありませんか。このアプリを使えば、AIが自動でノイズを分析・除去し、人の声をクリアに補正してくれます。高価なマイクを使わなくても、まるでスタジオで収録したかのような聞き取りやすい音声に仕上げることができるのです。これなら、お客様に伝えたい大切なメッセージもしっかりと届けることができますね。
面倒な背景の除去も一瞬で
商品の紹介動画を撮りたいけれど、背景に余計なものが映り込んでしまう。そんな時もAIの出番です。被写体を自動で認識し、背景だけをきれいに切り抜いてくれます。わざわざグリーンバックを用意したり、複雑な操作をしたりする必要はありません。切り抜いた背景を、会社のロゴが入った画像や、おしゃれなオフィス風の映像に差し替えるだけで、一気にプロ並みのクオリティになります。
字幕生成の手間から解放される
動画の内容をより多くの人に伝えるために、字幕は非常に重要です。しかし、音声を聞きながら一字一句テキストを打ち込む作業は、本当に骨が折れます。このアプリに搭載されたAIは、動画の中の話し声を自動で認識し、テキスト化して字幕を生成してくれます。あとは誤字脱字がないかを確認して、少し修正するだけ。これまで数時間かかっていた作業が、ほんの数分で終わってしまうかもしれません。
想像を形にする生成AI「Firefly」
さらに驚くべきは、Adobe独自の生成AI「Firefly」が搭載されている点です。これは、あなたのアイデアを言葉で伝えるだけで、AIがオリジナルの画像やステッカーを生成してくれる機能です。
例えば、「走る猫のステッカーを作って」と入力するだけで、AIがアニメーション付きのステッカーを瞬時に作成してくれます。これをビジネスに応用すれば、動画の可能性は無限に広がります。
「プレゼンテーションを盛り上げる、青く光るグラフのイラスト」
「自社商品の紹介動画に添える、桜が舞い散るエフェクト」
など、あなたのサービスやブランドイメージに合わせた素材を、探す手間なく、しかもオリジナルで作り出せるのです。素材サイトを探し回る時間は、もう必要ありません。
プロも納得の本格的な編集機能
AI機能がすごいからといって、基本的な編集機能がおろそかになっているわけではありません。そこはAdobe Premiere、プロの現場で培われた信頼の機能がしっかりと盛り込まれています。
特に注目したいのが「無制限トラック機能」です。トラックというのは、映像や音声、テロップなどを重ねるための層のようなものです。このアプリでは、このトラックを好きなだけ重ねることができます。
例えば、メインの映像の上に、説明用の小さなワイプ映像を載せ、さらに会社ロゴの透かし画像を重ね、テロップを表示し、BGMと効果音を流す、といった複雑な編集も自由自在です。あなたの頭の中にある構成を、何の制約もなく形にすることができます。
また、Adobeが提供する高品質なBGMや効果音、プロがデザインしたフォント、動画素材なども豊富に用意されています。著作権を気にすることなく、安心して使える素材が手元にあるのは、非常に心強いですね。
ビジネス利用でも安心
AIと聞くと、「自分の作った動画が、勝手にAIの学習データとして使われてしまうのではないか」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。その点もご安心ください。Adobeは、ユーザーが作成した動画や画像をAIの学習に利用しないことを明言しています。お客様の情報や社外秘のデータが含まれる動画でも、安心して編集作業に集中できます。
まとめ
今回ご紹介したAdobe Premiereのスマホアプリは、まさに「手のひらサイズの編集スタジオ」です。
AIによる作業の自動化で、動画編集にかかる時間を劇的に短縮し、生成AIでクリエイティブな表現の幅を広げる。そして、プロ仕様の本格的な機能が、あなたのアイデアを妥協なく形にしてくれます。
動画での情報発信は、もはや一部の専門家だけのものではありません。このアプリ一本あれば、あなた自身の手で、お客様の心に響く魅力的な動画コンテンツを生み出すことができます。
あなたのビジネスをさらに加速させる新しいツールとして、このアプリを試してみてはいかがでしょうか。きっと、これまで見えなかった新しい可能性が拓けるはずです。


監修者:岡田 直記
AIコンサルント / 「ナオキのAI研究所」所長
企業のAI活用を支援するAIコンサルタント。セミナーや法人研修、個人指導などを通じ、これまでに延べ100名以上へAI活用の指導実績を持つ。現在は、主に中小企業を対象としたAI顧問として、業務効率化や生産性向上を実現するための戦略立案からツール導入までをサポート。また、個人向けには月額制の「AI家庭教師」サービスを展開し、実践的なAIスキルの習得を支援している。
自身の「元大手営業マンでスキル0から独立した」という異色の経歴を活かし、ビジネスの現場目線と最新のAI知識を組み合わせた、具体的で分かりやすい解説が強み。AI技術がもたらす未来の可能性を、一人でも多くの人に届けることを mission としている。